令和5年3月高砂市定例議会一般質問

1.総合計画の形骸化防止への取り組み

2.広域連携の推進について

Q
日本維新の会、横田でございます。通告順に従いまして、一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 私は一般質問として、今回の大項目二つについて質問させていただきます。一つ目は第5次総合計画についてであります。二つ目は広域連携の推進についてであります。
 まず一つ目でありますが、第5次総合計画についてであります。
 現行の総合計画の7つの重点評価指標は、全項目未達成の可能性が高まっていると感じています。まだ始まって2年ではありますが、非常に厳しい状況であると認識をしております。
 この第5次総合計画が飾りものにならないように、またこのまま後生大事に想定される結果を迎えつつ、変更できない計画を持ち続けるべきではない。またそれに対して警鐘を鳴らすべしという考えの下、質問をさせていただきます。
 少子高齢化が進展し、財政規模の縮小が不可避となる可能性の高いこの高砂市において、優先度や予算規模に鑑みた政策の選択と集中が必要になります。現在の、また将来策定する総合計画は部門横断的で中長期的な計画になるため、総合計画の担う役割は今後ますます高まるものと考えております。
 総合計画といいますのは、2011年4月の地方自治法の改正により、総合計画を構成する計画の一つである基本構想の策定の義務づけが撤廃されたことで、法的な作成根拠はなくなっております。
 法改正によって法的な根拠はなくなったものの、日本生産性本部が2016年に行った調査によれば、9割以上の自治体が今後も策定する予定としております。
 しかしながら、総合計画の策定に明確な根拠があるとは必ずしも言えず、同調査では7割以上の自治体は法令等での制定を行わず主体的な位置づけがないことや、その中で8割近い自治体で総合計画には予算が含まれていないことが分かっております。
 目的や根拠になる主体的な位置づけがなされておらず、また策定への計画を裏づける予算額が含まれていない結果から、当市のみならず自治体の総合計画の多くが形骸化していると言われております。
 ではなぜその総合計画は形骸化してしまうのか、その要因は総合計画の運用段階にあると考えています。当高砂市でも、総合計画以外にも多くの政策分野で個別計画を策定し、それに定性的、また定量的な目標を設定しています。総合計画はその自治体における中長期的な政策方針を示す最上位計画ですが、実際に運用する上では、それぞれの個別計画との連動が重要なポイントとなっております。
 先日の調査では多くの自治体が30個とも40個とも言われる個別計画の数を正確に把握しておられず、総合計画を構成する基本構想を期間内に改定を行わない状態が明らかになっております。
 また、近年の首長選挙においては、公約イコールマニフェストを掲げることが一般的となっております。行政運営において首長のマニフェストは大きな影響力を持っていると考えられていますが、多くの場合では首長の任期と総合計画の年限が一致しておりません。
 総合計画は期間中の改定がなされず、マニフェストや個別計画との連動がされていないなどの運用上の課題によって重要度が低下し放置されている。または放置までも言いませんが、ある時期が来れば思い出したように検証結果が出てくるとの様子が多くの自治体で見受けられているようであります。
 この形骸化の防止対策を課題としてお伝えいたします。
 まず、第1の課題であります。総合計画の信頼性、その精度や質の向上による有効性と進行管理機能の確保であります。
 総合計画を形骸化させないためには、政策立案と同時に計画立案段階における目標設定の際に、重要な関連を持つ情報や統計等のデータを活用するなど、EBPM手法を導入する必要があると思っております。
 第2の課題であります。財源の裏づけと優先順位などの明確化による実効性の確保であります。
 総合計画の実効性を確保するためには、計画期間中の財政収支の見通しを基に財政フレームを示し、そのフレームに沿った事業展開、予算規模を踏まえて事業を構成することを行う必要があります。
 第3の課題であります。総合計画と各種行政システムとの連動、これをトータルシステムと今後申します、であります。
 総合計画の実効性を高めるには予算編成、組織機構、人事評価制度、行政評価といった既存の各種行政システムとの連動が不可欠であります。
 本市では総合計画と予算編成、人事評価制度などが狭い範囲で部分的には連動しているとは思っておりますが、全体としては連動されていないと感じています。
 このトータルシステムの推進には、計画や予算、実行及び決算、評価の連携が重要であります。これらを効率的かつ効果的に運営していくには、現組織においては横串をさせる政策部に集約させることが肝要であると考えます。このほか総合計画の実効性をさらに高めていくには、市長マニフェストとの連動や関係性の整理、計画へのオーナーシップの醸成、オーナーシップというのはやる気とかいうんですが、醸成に向けた市民参加、計画の分かりやすさの向上、職員参加の拡大と職員の意識改革、これはマインドセットと言いますが、マインドセットの変革や獲得が必要であります。
 遅くて次期の総合計画、早ければこの第5次総合計画の改定をされたものの在り方と、トータルシステムの構築について申し上げます。
 まず一つ目、総合計画を策定する意義と必要性の認識であります。
 総合計画を策定するためには多大な労力が必要となります。形式的、義務的に策定し、有効性の乏しいものであれば総合計画を策定しないという方向性も選択肢として考えられます。また、そういう選択をされている自治体も3割ぐらいあります。実際3割近くの自治体がそれに近い変化対応をされております。しかし地方自治体の責務は地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うことでありますので、さらに地方自治体では、地方自治体がその事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないとしています。地方自治体の責務や役割を実行していくための手段、ツールとして、私は総合計画は最も必要であると考えております。
 その二つ目であります。本市の自治体経営の現状と課題についてであります。
 今後、本市の人口減少、少子高齢化は進行していきます。これに伴い、歳入面においては市税収入の減少、歳出面においては扶助費の増加など、高齢化に伴う行政需要の新たな拡大が十分に予想されます。職員数なども減少傾向にあり、ヒト・モノ・カネといった経営資源が縮小していく。事業の実施方法や規模を見直すなど、知恵と工夫により生産性を向上させ、住民福祉の増進を図っていく必要があります。このためには従来の発想を転換し、持続可能なまちを実現していく必要があります。また、その責務が行政のほうにあると感じております。
 その総合計画の形骸化を防ぐ鍵は、先ほど申しましたトータルシステムの構築であります。その一つの鍵になるのは、システムをトータルで考えることにあります。システムをトータルで考えることとは、個別計画等のほかの計画、予算や行政評価、また人事評価等といったほかのシステムと一体的で連動するような位置づけそれぞれの個別評価を効果的に運用することになります。
 シンプルに申し上げますと、総合計画は大樹の根と幹であり、枝葉である個別計画の活性化を図るため、その栄養を吸い上げ、送り、そこでつくられた栄養源でもって、また幹や根が元気になり、プラスの循環を起こすことであります。こういうイメージをトータルシステムをつくり運用することであると考えております。
 少子高齢化が進展し、財政規模の一層の縮小が不可避となる人口規模の比較的小さなこの高砂市では、限りある予算からアウトカムの最大化のために、行政の各システムが漏れや無駄のない運営を行える体制を構築することは不可避であります。システムをトータルで考えることの重要性は、今後一層高まると考えられます。
 行政の生産性向上に向けて、総合計画と個別計画の改革をする必要があります。
 まずその一つ目、基本計画の策定において、その目的を行政の生産性向上と定義し、職員のオーナーシップ、これは参画意欲と言いますが、マインドセットの変革等を実行します。
 また二つ目、基本構想の策定では地域の生産性を掲げて行政運営の在り方にとどまらず、地域のあらゆる主体の協働による分野横断的での政策の優先順位設定に取り組む必要があります。この優先順位設定というのは、今後非常に大事になってくると思います。
 三つ目、総合計画と個別計画の同時策定と、市長任期との年限の整合性を図り、目標や目標値をどちらの計画に持たせるかなどを考慮し、それ自体が有機的に連動した運用を可能にする取組が必要であります。
 それから体系的な運用体制の構築を実現することになります。
 行政運営を構成する各工程である、今申しました計画や予算、決算や評価が総合計画と連動し、また基本構想や基本計画等の各種計画が有機的に連動した体系的な運用体制の構築が必要であります。
 一つ目、具体的に申しますと、市民に分かりやすく職員が活用しがいのある計画。
 二つ目、信頼性と有効性の高い計画。
 三つ目、財源の裏づけがあり、経営資源の選択と集中を図ることができる戦略的な計画。
 四つ目、機動性と柔軟性の高い成果重視型の計画。
 五つ目、各種個別計画の中核として、それと連動して全体として実効性を高めていく計画等であります。
 この高砂市役所におかれましては、高砂市に本社を置き、総従業員数900名を誇る市内最大の企業群であります。その生産性向上において民間企業の先駆けとなって、範を見せることができる能力は十分に持たれていると感じております。
 総合計画を形骸化させず地域市民目線で実効性、また実現性の高い計画にすべく、早期の変化対応をすべきと考えます。お考えをお聞かせください。
 二つ目、広域連携の推進についてであります。データがあるのでお見せします。
 令和3年度の主要指標の比較表として作ってみました。上から高砂市、加古川市、播磨町、稲美町のデータです。これは県のデータなので順位と書いています。数字は少ないほうがまあまあ高い順位というか、いい数値ということになります。実質公債費比率は高砂市は4.4、加古川市は1.8、播磨町はゼロ、稲美町が5.1で、それぞれ8位、3位、1位、13位であります。
 それで将来負担比率につきましては高砂市が、これは兵庫県下は41市町ありますがその中の34位で、加古川市、播磨町、稲美町ともに1位であります。この1位といいますのは、マイナスの値であれば1位になります。その中でも播磨町はマイナス83.3ということで、これは兵庫県下でも1位です。これだけ将来負担比率に差があるということです。
 それから基金残高です。まず財調から見てみますと高砂市が39億4,900万円、加古川市が66億円、播磨町が37億9,600万円、稲美町におきましては高砂市より高い46億9,300万円というのが財調です。
 あと基金残高は左の方です。それぞれ80億円、220億円、60億円、60億円、ということです。
 それで地方債の現在残高は高砂市が450億円、加古川市が830億円、播磨町が110億円、稲美町が100億円ということで、標準財政規模に占める地方債残高じゃなしに標準財政規模の分母にして地方債残高を分子にした場合です、205%、158%、153%、145%ということで、歳入総額に占めるのがこの割合ということで、この2市2町、東播臨海広域行政協議会は2市2町ありますが、この中でも圧倒的に厳しい行政財政事情というのが高砂市で、唯一高砂市が厳しい状況にあるというのがこれでよく見て取れます。
 それをどうその次につないでいくかということで、将来負担比率というのは将来における、その将来世代が負担する比率の大きさなので、これはいつも問題にしてますが、これは早期に改善しないといけないというところは出てこようかと思いますが、こういう財政状況の中で広域連携の推進というのは、自ら高砂市がやっていかなきゃいけないと一番困ってるんで、困っているところがほかの市に働きかけてやらねばならないのではないかなという観点から申し上げます。
 連携中枢都市圏構想というのがあります。人口減少、少子高齢化社会の危機に直面する中において、播磨圏域の8市8町が対等協力の立場で団結し、播磨圏域の経済の活性化、圏域の魅力の向上、住民に安心快適な圏域づくりに取り組み、播磨圏域の地方創生を進める構想であります。
 その意義とは、地域において相当の規模と中核性を備える圏域において市町村が連携し、コンパクト化とネットワーク化による、より人口減少、少子高齢化社会においても一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持するための拠点を形成することであります。
 求められておりますのが、圏域全体の経済成長の牽引、産学金官の共同研究、新製品開発支援、6次産業化支援、二つ目が高次の都市機能の集積強化、高度医療の提供体制の充実で、高等教育・研究開発の環境整備と、三つ目、圏域全体の生活関連機能サービスの向上、地域医療確保のための医療群輪番制の充実、地域公共交通ネットワークの形成等であります。実現する手段として、平成27年度から地方交付税措置を講じて全国展開とあります。
 平成27年度当該連携協約締結後、実績を残せた事業があればお聞かせください。そして今後、高砂市民の安心・安全な生活レベルの向上に向け、この都市圏構想をどう活用されるのか、今申しました播磨臨海広域行政協議会の取組と併せてお聞かせください。
 以上、壇上からの質問を終わらせていただきます。
A

 17番、横田英樹議員の一般質問にお答え申し上げます。大きな項目で二つありました。
 1番目の総合計画については私のほうから、それ以外は担当部長から申し上げますので、よろしくお願いします。
 まず、私のほうからです。
 高砂市の市政運営として、限りある高砂市の経営資源を有効活用するために、総合計画を核とした行政経営を行うことで、生産性の向上に資する取組につなげるという趣旨でご提案をいただいたものと認識をしております。
 まず、本市の総合計画の位置づけ、役割についてです。議員のご指摘のとおり、平成23年、地方分権改革の中で、国から地方に対する義務づけの見直しとして地方自治法が改正されたことにより、地方自治体に義務づけられていた基本構想策定の規定が廃止され、法に基づく総合計画策定根拠はなくなりました。
 本市においては、その前年度の平成22年度に10年間を計画期間とする第4次高砂市総合計画を策定したところでした。
 また、平成25年には地方自治の観点から基本構想及び基本計画の重要性及び必要性を鑑み、高砂市議会の議決すべき事件を定める条例を制定し、基本構想等の策定、変更、廃止に関することについては、市議会の議決を要するものとしました。
 その後、平成27年には総合政策に関する条例の制定を経て、本市においては基本構想及び基本計画を総合計画として定め、本条例に基づき第5次高砂市総合計画を策定いたしました。
 地方自治法の第1条地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うこと、また第2条地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならないという趣旨からも、市はその運営において総合的かつ効率的に取り組まなければならないことは、市行政の存在意義そのものであり、市民に対する責任でもあると考えております。
 次に、KPI、EBPMの考え方です。市が目指している方向性を分かりやすく説明するためにも、第5次高砂市総合計画には、KPIとして統計データを複数お示ししています。このKPIは決して市の施策だけでは改善しないアウトカム指標も含まれており、どのような数値に注目し、どんな事業にどう取り組むかを論理的に立案するEBPMを目指し、第5次総合計画に取り入れたものです。
 EBPMの手法は総合計画だけではなく、各事業の企画立案、改善の際に活用できるため、積極的に取り入れ、状況の変化に早期に対応する体制を目指したいと考えております。
 次に、総合計画の浸透です。総合計画は、市民の皆様が分かりやすいものであるだけでなく、市内部での浸透及び活用がされなければならないと考えております。
 日々の業務を執行し、各個別計画を策定する職員の理解及び浸透があることで、政策や事業の提案、取組や行動の改善、そして変革につながることが重要であると認識しています。
 予測困難な時代に、誰かからの指摘、指示を待っている職場は、生産性という観点からは効率が悪く、職員自身もやりがいやモチベーションは高まりません。
 何のために仕事をしているのか、自らの行動がどのような影響をもたらすのかを明確にし、理念や目的意識を持つ生産性の高い職場づくりのためにも、各職場での第5次総合計画の浸透が必要であり、課題であると考えております。
 令和5年度早々にも、職員に対して総合計画の説明を行い、考え方の浸透を図ることを支持してまいります。
 次に、地域のあらゆる主体の協働による分野横断での政策の優先順位設定については、現在、総合政策に関する条例に定めている高砂市総合政策審議会に、様々な活動をされている市民、団体の皆様に参画いただき運営しております。
 この審議会は、条例に基づき、行政評価に対する意見について伺っています。先日の審議会においては、総合計画にある高砂市の姿を期待しているとのご発言もいただき、委員の皆様からは高砂市で生活する市民としての幅広いご意見を委員皆様それぞれが当事者であるとの立場から、高砂市のためにという視点でご発言いただきました。
 また、ほかにも市が開催する説明会や市議会においても様々なご意見をいただいています。どれも貴重なご意見であり、毎年行っている行政評価の政策評価表や事業評価表に皆様のご意見を反映しながら、事務事業の改善に取り組みたいと考えております。
 次に、総合計画と個別計画の連動及び同時策定についてでございます。
 各個別計画は、総合計画を勘案して分野ごとに策定しています。総合計画と個別計画を完全に連動させる一体型の計画策定については、まち・ひと・しごと創生法に基づく地方版総合戦略と一体化することについては対応いたしましたが、その他の計画との一体化については、研究をさせていただきたいと考えております。
 次に、市長任期との年限の整合については、第5次高砂市総合計画を策定する際に研究をいたしました。結論といたしましては、議決をいただき、市民の総意で策定した基本構想及び基本計画である総合計画は、選挙で選ばれた市長やその任期によって変更されるのではなく、地方自治体としての基本的な方向性において持続性があることがふさわしいと考え、今に至っております。
 総合計画を実現するために、いろいろな手段があると考えます。その内容は、毎年度提案しています施政方針や予算案、財政収支の見通しとしての中期財政計画及び長期財政見通し、総合計画実施計画等でご説明し、市政運営に当たるものと考えます。
 私がどう判断し、かじ取りをしていくのか、市民の皆様へ分かりやすく説明するために、施政方針で重点的に取り組む施策を設定しています。第5次総合計画で示している将来像、基本計画に加え、市民の皆様にお約束した選挙公約、そして市政運営の際にいただいたご意見、ご提案も勘案し、重点的に取り組む施策を柱施策としています。
 議決をいただいた総合計画は、市の基本的な指針であり、最上位計画とも言われています。市政運営において有効に活用してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

(答弁:前田育司政策部長)
 私のほうからは、まず播磨圏域連携中枢都市圏についてご答弁いたします。
 市町の区域を越え、生活圏を同じくする播磨圏域の市町が連携し、人口が減少する中にあっても活力を維持・向上させ、住民が安心して快適に暮らすことができる圏域づくりを進めるため、中核市である姫路市を連携中枢都市として平成27年4月に播磨圏域7市8町において、姫路市との一対一の連携協約の締結を行い、現在は8市8町で播磨圏域連携中枢都市圏を形成しております。
 また、播磨圏域が目指すべき将来像や連携協約に基づき推進する具体的な取組について、連携市町で協議を行い、播磨圏域中枢都市圏ビジョンの策定を行いました。現在は55項目の連携事業を設けており、本市ではそのうち43項目の事業で連携を行っており、連携事業に要する経費については特別交付税の対象となります。具体的な連携事業といたしましては広域防災訓練や情報伝達訓練などの自然災害等対策事業、播磨自治研修協議会における運営協力などの職員研修事業、シンポジウム開催や国、県への要望などの播磨臨海地域道路網の整備促進事業などがございます。
 また、経費がかかっていないなどで交付税の対象とはなっておりませんが、備蓄物資、訓練資機材等の情報共有事業、ピンクリボンキャッスルウォークやピンクリボンツリーでの女性がん啓発実施など広域的ながん対策推進事業、どんぐりカードの配布などの博物館等の相互利用促進事業などがございます。
 令和5年度からは、令和4年12月定例会において協議の議決をいただきました、姫路市の公立夜間中学における就学の機会の提供も新たに連携事業として開始される予定となっており、そのほかにも人材育成・交流としてデジタル人材育成のための共同研修の実施や、圏域のオープンデータの横断的な利活用として、カタログサイトの共同利用を行う予定となっております。
 次に、広域連携の活用についてです。
 今後、高砂市だけでなく人口減少、特に生産年齢人口が減少することを考慮すると、現在よりもさらに少ない職員数での行政運営を迫られる可能性が高いと考えております。
 また、多くの市町において、公共インフラ施設の老朽化が進展し、財政の硬直化も進む中、少子化対策や高齢化で行政への需要増加が見込まれる住民サービスとの両立をいかに図っていくかが共通する大きな課題です。
 将来、一つの行政主体のみで全てのサービスを提供し続けることは困難になることが予想されており、人材を含めたノウハウなど有形・無形の資源を相互に融通し合う市町連携は有効な手段であると考えます。
 また、近隣地域に共通する課題について連携して、国や県に要望等の働きかけをする際にも、この連携は有効であると考えます。
 国からの支援が必要な、規模の大きな事業に対し、市単独ではなく、東播臨海広域行政協議会や播磨地方拠点都市推進協議会あるいは市長会等で連携し、国等へ要望活動を行っております。
 8市8町にわたる播磨圏域連携中枢都市圏構想におきましては、各市町の地理的要因、財政的要因、またそれぞれで抱える課題も少しずつ異なるため、合意形成が容易でない場合もありますが、その特性に合わせた連携に取り組んでまいります。
 本市と加古川市、稲美町、播磨町の2市2町で構成される東播臨海広域行政協議会におきましては、令和4年度に設立50周年を迎え、実績も多くございます。
 エコクリーンピアはりまや加古川歯科保健センター、東はりま夜間休日応急診療センターなど、ハード面で安全・安心な市民生活に資する事例もございます。
 ソフト事業としては、東播地域の高校の、優秀な成績を収めた部活動に対する助成、ケーブルテレビに市町の情報を提供し、番組を放送するなどの事例がございます。
 令和4年度には、東播臨海広域行政協議会ではパートナーシップ制度について共同研究を実施しました。本市では4月から導入予定の同制度における転入出の際の市町連携など相互理解が進んでいくものと考えます。
 市町連携は、お互いの利益や課題が一致してこそ実現する取組です。信頼関係を重視し、それぞれの連携の枠組みに合わせて取り組んでまいります。

 ありがとうございます。総合計画につきましては、ご存じのように基本構想が10年で前期の基本計画が5年で、その中で実施計画は3年ごとに分かれて走ると。一年ごとに新たな3年計画は起きて走るということで、次年度の令和5年度は一番最初の実施計画の3年目の満期を迎える年でありますので、毎年改定というのは述べられてますが、それに向かって、今この変化の早い時期に、一言も変えずに10年間、同じ目標を走っているというのは、ほぼ考えられない状況だと思います。3年でも長いかも分かりませんので、しっかりとお考えいただきながら、実効性のある、実現性のある目標で、これを遂行すべく頑張っておられる職員の方の納得性のある目標に変えていただくようにご努力いただければと思います。
 あと地域連携につきましては、最後のほうにおっしゃっていただいた東播臨海広域行政協議会、これは2市2町なんですけれども、財政状況も今お知らせしたように、後の1市2町については非常に余裕のあるといいますか、恵まれた環境での財政状況でありますので、しっかりと組まれる中で、本来の行政交付金、交付税の対象になられる取組については、この地域連携ということで国に認めてもらわないといけないんですけれども、悲しいかな姫路市はその中心となる地域になるんですけれども、加古川市というのは昼夜間人口比率というのがあって、1以上じゃないとその中心になれないと。姫路市は1以上なんですけれども、加古川市は0.9ぐらいでなれないので、今のところは加古川市を中心とした広域連携というのはできないんですけれども、そういうことも含めて県、国に働きかけながら、最もその実効性というか具体性があるのは、やっぱり2市2町での連携というのが一番あると思うんです。そういうところに頭をひねっていただいて、加古川市がそういうエリアに認定できるような働きかけもする中で、具体的に2市2町で進めていくというようなところが一番、高砂市民にとってはメリットのある取組になるのかなと思いますので、一つそれはお願いをして質問を終わらせていただきます。ご清聴をありがとうございました。