令和6年3月高砂市定例議会一般質問

1.令和5年度 高砂市学校教育の基本方針について

Q
日本維新の会、横田でございます。通告順に従いまして、一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは、人口減少・経済社会の変化を踏まえた高砂市こそが取り組むべき広域連携のあり方について、一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 モニターお願いします。
 今からお見せするのは、兵庫県が出してる各市町の資料で、令和4年度の決算見込みの資料です。
 上が高砂市、加古川市、稲美町、播磨町、姫路市と順番に書いています。左から、歳入総額、今見えるところでいけば、1人当たりの歳入総額も記しています。人口は、緑の塗っているところなんですけども、これは令和2年度の国勢調査の人口であります。歳入総額が、高砂市で令和4年度429億円で、加古川市が940億円、稲美町が13億、播磨町が14億円、姫路市が2,390億円というような数字であります。
 これを1人当たりに落としますと、高砂市が令和4年度では最高の金額になるんですね、48万9,000円で、加古川市が36万円、稲美町が43万円、播磨町が42万円、姫路市も45万円ということで、姫路市が県庁所在地ではない50万人以上の都市で、1人当たりの歳入総額が40万円を超えるというのは、非常にうまくやられている市なんですね。後で申し上げますが。
 それで、あと基金残高を申し上げますと、一番左の塗っていないところが、これが基金全部です。特定目的基金も全部含めての基金残高です。オレンジに塗っているのが財政調整基金、基金残高のうち財政調整基金がこの金額になります。高砂市がほぼ50億円ですね。加古川市は66億円、稲美町が56億円。稲美町も56億円あるんですね。高砂市よりも多い。播磨町が38億円、姫路市が140億円というような数字になっています。
 これは、コロナが始まって以降、コロナのビフォー・アフターの中で、2割から3割ぐらい上がってるのが普通です。いかにじゃぶじゃぶになっていたかというのがよく分かるんですけども、2割から3割、基金残高が増えている中で、うちの財政調整基金が特に増えているというのが普通です。だから、どことも財政調整基金が増えている、積み上がっているというような状況です。
 次に、借入のほうを見ますと、地方債の残高で、高砂市が、これ、ちょっと小さいので見えにくいんですけども、450億円、加古川市が800億円、稲美町が100億円、播磨町も100億円、姫路市が1,930億円ということで、これを1人当たりの残高に落としてみますと、高砂市が断トツになってしまうんですね。1人当たり、市債の残高が52万1,000円、加古川市が30万円、稲美町が30万円、播磨町が30万円、姫路市も30万円というような環境になっています。
 次に、将来負担比率、黄色で塗っているところですね。将来への負担のデータなんですけども、一般会計等が将来負担することが見込まれる実質的な負債の標準財政規模に対する値を示します。簡単にいいますと、将来、財政を圧迫する可能性が高いことを示しています。これのマイナスの意味は、将来負担額よりも、それらに充当する貯金、財源が上回っているため、比率がマイナスになりますので、加古川市も稲美町も播磨町もマイナスになっています。将来負担比率がマイナスという状況になっています。高砂市は異常に数値が高いというところなんですけども、周りの市町、高砂市の周りは比較的、財政的にはうまくバランスがとれてやっているというので、高砂市だけ見劣りするというような環境になっています。
 その中で、自治体の運営の中で、一番効率が上がる人口というのが30万人前後と言われています。それから、そういう形で運営ができる、高砂市は今8万7,000人なんですけども、まだまだ低いというふうな中で、今後も増えないであろうというところでの、それをカバーするための広域連携について、今からお話をしていきたいと思います。
 まず、これについての当局の分析をお願いしたいというのが一つ目の質問になります。
 モニター、結構です。
 あと、二つ目が広域連携についてでありますが、地域経済社会における人口規模の縮小などは、地方自治体の税収減などによる行政サービスや地域コミュニティの機能の低下、それに伴う関連サービスと雇用の減少を通じて当該地域における生活の利便性と経済社会の活力が低下をし、さらなる人口減少を招くといった負のスパイラルにつながっていきます。人口減少も、高砂市におきましても、多分、国立社会保障・人口問題研究所の予測の95%ぐらいでいくんじゃないかと思っています。市の運営も、人口が減っていくということを念頭に置きながら施策を組んでいく、そうなっても構わないような施策を組んでいくというのが大事だというように感じています。
 高砂市においても、人口が今後減少していく見通しもある中、有限な地域資源、人、物、金、情報などを活用し、今後とも必要な行政機能を維持するとともに、さらに効率的・効果的に運営していくためには、現在の地方自治体の枠組みを超えて、より広域的な視点で行政サービスの提供、地域づくりを考えていく必要があります。加えて、地域経済及び社会の一員であり、かつ主要な担い手であります企業にとっても、市内の人口減などに伴う市場や雇用の縮小により企業立地の選択肢がさらに狭まる中で、地域の持続可能性の維持・確保には、域内で円滑な事業活動を継続するに当たって喫緊の課題であるというふうに考えられます。
 これ、ちょっと余談なんですけども、最近、朝の駅立ちというのをしていまして、山陽電鉄の高砂駅、あと荒井駅でカウンターで計っていたんですけど、朝6時半から8時ぐらいまでの間で、高砂駅は乗る人と降りる人は、100%としたら、乗る人が10%、降りる人が90%ぐらいなんですね。荒井駅は、降りる人が95%、乗る人が5%ぐらいの割合なんです。高砂駅はもっと乗る人が多いのかなと思っていたら、非常に少なくて、それも、これだけ朝来てくれはるのに、住んでもらったらいいのになというふうなところを改めて思って、高砂市の住宅施策も今後まだまだやりがいというか、可能性があるのではないかなというふうに今、感じています。
 話は元に戻りまして、2040年頃にかけて、人口減少・高齢化などの人口構造の変化が進み、更新時期の到来をしたインフラは間違いなく増加します。支え手・担い手の減少などの資源の制約に伴い、地域社会の持続可能性に関する様々な問題が顕在化をして来ています。
 前段で申し上げた状況の中、高砂市こそ市の未来予測を踏まえ、今まで培われた技術を活かし、その対応、地域や組織の枠を超えた広域的な連携を長期的な視点で選択し、その取組に対してリーダーシップを発揮し、高砂市民に明るい未来を提供する義務があると存じますが、広域連携についていかがお考えでしょうか。
 ちょっとこれも余談ですが、ちょっと衝撃的なご意見があって、この前、北浜町でタウンミーティングをしていたんですけども、お集まりの方の中で、15人ぐらいおってはったんですけども、その中の3分の1ぐらいの方が姫路市のほうが良かったというふうに言われている方がいらっしゃるらしいんですね。だから、それも含めて、真摯に受け止めないと、高砂市に住んだら不幸かいなというふうに思われてもおかしな話になりますので、そういう方もいらっしゃるということも肝に銘じて対応していかないといけないということを僕も改めて感じております。
 その中で、地域連携については、今、申しましたように、高砂市民に明るい未来を提供する義務があると存じますが、広域連携について、いかがお考えでしょうか。これ、二つ目の質問です。
 三つ目がGXと地域産業について。
 2050年カーボンニュートラルを目指した市内グローバル企業のGXの動きも加速しております。
 GXを推進していく中では、電力分野において、再生可能エネルギーの主力電源化、原子力発電の最大の活用、水素・アンモニアを活用した既存火力発電の脱炭素化、グリッドの次世代化に加え、熱源あるいは製造工程での水素の活用も必須となってきます。そして、その実用化に向け、世界に冠たるリーディングカンパニーが市内で操業されております。また、エコクリーンピアはりまも広域連携・カーボンニュートラルの実現事例として、国内では本当に今、注目されつつあります。
 GXの推進は、エネルギー需要構造の大きな転換を伴うことから、産業の最適な立地や地域産業にも大きな影響を与えます。市内経済の活性化に当たって、エネルギーの地産地消を含むGXの取組を加速させる必要があります。
 企業の立地や投資は、本来的には民間企業が各自の判断で行っていくものでありますが、昨今の状況変化の中、政府は各地域をも含めた国内投資の拡大を後押しをしています。熊本が良い事例であります。また、播磨臨海道路の建設も見えてきております。これが次の高砂市の発展の起爆剤になるのではないかなというふうに感じておりますので、それに向かってしっかり取り組んでいくというような中で、浜手の大きな動脈ができるわけですから、それに則って、市民生活の利便性及び企業の活性化における活用というのが大きく変わるチャンスになりますので、それに向けて準備をされるべきというふうに感じております。
 そこで、お伺いします。市内の産業立地、地域産業の今後のあり方に関しては、いかがお考えでしょうか。
 四つ目、MaaSについてであります。Mobility as a ServiceというMaaSでありますが、これはどういう意味かと申しますと、自分で車を運転できなくても、また移動が不自由な方でも文化的で持続可能な暮らしと社会を実現すること、それを目指すものというふうにあります。また、誰もが好きなときに行きたいところへストレスなく行くことができるようになることとされています。
 実際には、どういうふうに使うかといいますと、スマホアプリまたはWebサービスにより、地域住民の移動ニーズに対応して複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて、検索・予約・決済などを一括で行うサービスであり、また、移動手段、AIオンデマンド交通、シェアサイクル、カーシェアなどや関連サービス、医療・福祉なども組み合わせることが可能なサービスであります。特に医療については、加古川中央市民病院との連携等も含めて、非常にこれは有益なサービスになるのかなというふうにも感じております。
 MaaSは、既存の公共交通の利便性の向上や、市内における移動手段の確保、また充実に資するものであり、その普及により、全ての人がストレスなく快適に移動できる環境を整備することであります。
 具体的なメリットといたしましては、それぞれのニーズに合った便利な交通サービスを提供できます。二つ目が、交通渋滞を解消できます。三つ目、移動困難者を救済できる。四つ目、地域活性化ができる、五つ目、カーボンニュートラルにつながる。特に高砂市におきましては、六つ目からが具体的な事例になると思うんですけども、部活の地域移行化に貢献できる。これ、質疑でもちょっと申し上げましたが、教室とか運動場の使用を学校単位で部活利用できるようにするため、生徒がストレスなく移動できる環境をスクールバスとじょうとんバスとを併用して創造することができないのでしょうか。
 学校の施設、教室・運動場を含めて、高砂市域に16ある学校施設というのは、今までの住民の方の税金で蓄えられた資産を活用しながらという中では、非常に立派な資源になるというふうに思っていまして、いかにして地域で活用していくかということも大事じゃないかなと思っています。特に老朽化した自治会館とかいうのは、もしできれば、中学校、小学校である中で、新築は止めて学校を使うとかいうようなところもフルに活用できれば、地域貢献できる大きな資産ではないかなというふうに感じております。
 そこで、まとめて部単位でそこへ移動して、少人数でできないものが大人数であれば比較的おもしろく、楽しくできるというような環境も創れれば、また文化・スポーツにおいて、それが成長のエンジンになるのかなというふうにも感じております。
 七つ目が、未来資産のデータ蓄積に貢献するというふうに感じております。
 また、八つ目に、広いエリアでの公共施設の共同使用が可能になり、利用頻度が飛躍的に向上し、より充実した設備がある施設が利用しやすくなり、施設の品質向上につながり、少ない公共施設でも満足度が維持でき、関連予算の大幅削減が期待できるというように考えております。
 実際、加古川市では今、非常に立派な陸上競技場があって、公認競技場ですけども、そこで加古川市の中学校、小学校の方が全部集まって、そこで練習しているというような風景がありますが、それに高砂市も寄せてもらって、そこでやるとか、あと高砂市野球場というのは非常に良い野球場です。環境というか、グラウンドが。2市2町の人が集まってもらって、そこで練習するとかいうふうなことも、ストレスなく移動できれば、できるのではないかなというふうに思います。その中で、公共施設の管理計画の中の費用が非常にコストダウンできるのではないかなというふうにも感じております。それによっては、MaaSが多くな貢献ができるのではないかなというふうに感じております。
 その中で、高砂市の利点、市域が狭い、坂が少ないを活かして、スマートシティ化に向けた取組にMaaSをできるところからやっていくべきと心得ますが、いかがお考えでしょうか。お聞かせください。
 以上、四つの項目に絞ってお尋ねいたします。
 これにて、壇上での質問を終わらせていただきます。


A

 

6番 横田英樹議員の一般質問にお答え申し上げます。
 人口減少・経済社会の変化を踏まえた高砂市が挑戦すべき地域連携のあり方についてのうち、広域連携については私のほうから、それ以外については担当部長から答弁いたしますので、よろしくお願いします。
 まず、私のほうからです。
 全国的に人口減少・高齢化が進む中、今後、多くの市町において、税収の減少による行政サービスや地域コミュニティの低下、現在よりもさらに少ない職員数での行政運営などといった人口構造の急速な変化に伴う課題が見込まれております。
 また、公共施設及び公共インフラの老朽化が進展し、財政の硬直化も進む中、人口減少等を踏まえた公共施設等の運営と必要な住民サービスの確保の両立をいかに図っていくかが今後の大きな課題であると言えます。
 このような状況の中、一つの行政主体のみで全てのサービスを提供し続けることは困難となることも考えられ、施設やノウハウなど、有形・無形の資源を相互に融通し合う市町連携は効果的であるため、将来的な必要性は高いものと考えます。
 市町連携は、各市町の地理的要因、財政的要因、また、それぞれで抱える課題も異なるため、合意形成が容易でない場合もございますが、本市では2市2町で運営しております広域ごみ処理施設であるエコクリーンピアはりまにおいて主体的に事業を実施しており、広域化のスケールメリットを活かすとともに、経営の効率化等を図り、処理に係る経費の削減等に成果を上げているところでございます。
 また、2市2町のごみを燃料として発電した電気の売電益も、昨今の電力高騰による売却単価の好調により大きな収入を得ており、各市町の財政支出の削減に大きく寄与しているところです。
 今後の取組として、エコクリーンピアはりまで発電した電力の地産地消利用についても、広域連携として合意形成を図り、財政面はもとより、地方公共団体として、地球環境を守るための責務である脱炭素社会の実現について成果を上げていきたいと考えております。
 エコクリーンピアはりま以外でも、加古川歯科保健センターや東はりま夜間休日応急診療センターの運営、今年度に開校した公立夜間中学である姫路市市立あかつき中学への広域受入れを含む8市8町による播磨圏域連携中枢都市圏構想、播磨臨海地域道路整備に向けた5市3町による播磨臨海地域道路網協議会、また、令和5年5月に開催されました東播臨海広域行政協議会審議会では、2市2町における今後のスポーツ関係施設のあり方について、私のほうから問題提起をさせていただいております。
 先ほどもご説明したとおり、市町連携はお互いの利益や危機感が一致してこそ実現する取組であるため、課題もございますが、互いの市町にとってプラスとなるよう連携について働きかけを行ってまいります。
 私からは以上でございます。

 
 それでは、私のほうからは、先ほど横田議員がお示しされました表の中から、基金残高、地方債残高、それから将来負担比率というようなところの分析のほうをさせていただきます。
 まず、基金残高につきましては、加古川市、稲美町、播磨町、姫路市の2市2町の住民1人当たりの加重平均額と本市の額を比較いたしますと、本市のほうが多くなっておる状況でございます。また、地方債残高につきましても、同様に加重平均額では、2市2町より本市の金額のほうが多い状況となってございます。
 基金につきましては、市民病院でコロナ患者を受け入れるための空床補償に係る補助金や、普通地方交付税の追加交付など国の施策によるものであると考えておりまして、また、地方債残高につきましては、新庁舎建設事業、広域ごみ処理施設建設事業、治水対策としての松村川防潮水門・排水機場の建設事業などの大型事業を実施したことによるもので、安全・安心のまちづくりへの投資を進め、高砂市の価値を高めた結果と考えてございます。
 基金と地方債残高を用いました財政指標の一つでございます将来負担比率につきましては、姫路市が11.6%となり、加古川市、播磨町、稲美町では地方債残高などの負債額よりも今後事業に充当することが可能な基金残高のほうが多く、算定結果はマイナスとなっております。これにつきましては、先ほど横田議員ご紹介のとおりでございます。
 一方、本市におきましては61%となってございまして、いわゆるレッドカードの350%以内ではあるものの、2市2町と比較いたしますと比率は高い状況となってございまして、将来の状況を表すストック指標として、将来的に財政運営の柔軟性に差が出る可能性はあると分析はしております。

 
 私からは、GXと地域産業について答弁させていただきます。
 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、温室効果ガスを発生させる従来の化石燃料から再生可能エネルギーや水素・アンモニアの活用などのクリーンエネルギーへと転換し、経済成長も同時に達成するグリーントランスフォーメーション、いわゆるGXの推進につきましては、横田議員のおっしゃるとおり、高砂市内では水素の活用において世界をリードする企業が既に実用化に向けて実証試験を開始しております。
 三菱重工業高砂製作所では、高砂水素パークとして、水素製造設備や水素を用いたガスタービン実証試験を開始されており、神戸製鋼所高砂製作所では、水素ガス供給システムの実証試験を開始されております。
 本市の水素社会の実現に向けた取組については、令和4年度から、兵庫県と関係自治体で構成する水素社会実装を目指す兵庫県自治体連絡協議会の構成員として、水素の利活用について連絡調整などを図っており、さらに県内自治体間の情報共有を活発にするために立ち上げた水素GX兵庫自治体ワーキンググループにも積極的に参加しております。
 また、まちづくり産業やエネルギー産業が集積する播磨地域におきましては、国・県、企業、地元自治体などで構成する播磨臨海地域カーボンニュートラルポート推進協議会に本市も市内関連企業と参画して、姫路港・東播磨港港湾脱炭素化推進計画の策定に取り組んでいるところでございます。
 また、令和5年度からは、播磨地域内において水素ステーションを整備することを目的に、兵庫県が本市を含む関係自治体及び事業者が参画する水素ステーション整備促進のための播磨地域連絡会を立ち上げ、協議しているところでございます。
 GXの推進に取り組んでいくに当たりまして、高砂市内において、特に先進的な取組が行われている水素の利活用につきましては、安定供給などの課題は多くありますが、兵庫県や本市を含む関係自治体及び関連する事業者などにおいて、連携を密にし、取組を推進しているところでございます。
 エネルギー分野は成長が見込まれる先端分野であり、特に水素や燃料電池などにおいて、関連産業の裾野が広く、また国内企業において高い技術を有している企業も多く、兵庫県内には水素関連機器などを取り扱う企業や高度な技術力を有する中堅・中小企業も多いため、水素の普及に伴い、新規参入や事業拡大が期待されます。
 GXの推進については、水素関連だけではなく、太陽光発電などの再生可能エネルギー関連企業の事業拡大も見込まれており、本市においても、令和4年度に市内大規模事業者と高砂市ゼロカーボン推進協議会を立ち上げ、事業者の脱炭素化に向け、国も含めた連携強化を図っております。
 市内事業者のGX推進に係る事業拡大や新規事業者が参入できるように、今後も兵庫県、関連自治体及び事業者などにおいて、連携を密にしながら取組を進めてまいります。
 続きまして、本市の臨海部には大企業やそれを支える中小企業が集積しており、産業別では製造業の割合が大きいという特徴があります。
 産業立地の今後のあり方につきましては、地域未来投資促進法に基づく高砂市基本計画において、高砂町、西畑、荒井町、曽根町の工業地域及び工業専用地域を重点促進区域と定めまして、住宅地内に点在する工場を移転集約し、生産性の向上を図るとともに、優良企業、工場の誘致促進を図ってまいりました。
 現在、工場誘致につきましては、土地に限りもあることから、工業専用地域の緑化率の低減措置を講じる条例を定めており、該当地域に立地している企業の新規設備への投資や既存設備の更新につなげていきたいと考えております。
 また、実際に市が定める対象事業に設備投資を行った企業に対しては、企業立地促進奨励金として、企業が行った投資額のうち、規則で定められた基準により算出された固定資産税等の合計額に相当する額の2分の1を3年間交付する支援を実施しております。
 地域産業の今後のあり方につきましては、先ほど述べました基本計画においても、製造業のうち、汎用機械器具製造業や生産用機械器具製造業などの産業集積を活用したものづくり産業を伸長させていくことが、経済波及効果を高めるとともに、質の高い雇用の創出につながるとしております。
 これら企業の多くは、研究・開発部門にも併設しており、新製品や新技術の開発など、飛躍的成長も期待できます。
 本市としても、この地域特性を活かし、ものづくり分野を支援するには、地域の事業者のニーズを把握していきたいと考えております。
 また、ニーズの把握には、各企業間の連携やコミュニケーションを深めて、共通の課題や共通のテーマを共に検討していくことも効果的であると考えております。
 高砂商工会議所には、工業部会やものづくり・物流部会、商業部会など、各業種ごとに部会が設置されており、その中で情報の共有や交換が行われており、地域産業としての方向性などを協議できる場が存在しております。
 本市としても、どのようなアプローチができるのか、検討が必要と考えますが、地域産業に資する施策がどのようなものか、調査研究してまいりたいと考えております。

 
 MaaSにつきましては、Mobility as a Serviceの略であり、国においては、このMaaSの普及に取り組み、全国各地の課題に対応した移動サービスの開発を支援する動きが始まっております。
 MaaSの統合レベルは4段階あります。まず、レベル1である情報の統合としましては、複数モードの交通提案、価格情報について、料金や時間、距離など、各移動主体に関する様々な情報が統合され、利用者に提供されている段階を示します。
 レベル2である予約決済の統合としましては、出発から目的地までの交通手段が検索でき、ワンストップで発券や予約、支払いなどが可能となる段階です。これにより、利用者はスマートフォンなどのアプリケーションで目的地までの様々な移動手段を一括比較し、複数の移動主体を組み合わせたまま予約や決済などができる段階を示します。
 レベル3であるサービス提供の統合としては、公共交通に加えて、レンタカー等も統合した上で、原則としてエリア内のあらゆる移動サービスの予約や決済をはじめ、サービスそのものが一元化された状態を示します。
 レベル4である政策の統合としましては、データ分析により国や自治体、事業者が都市計画や政策レベルで交通のあり方について強調していく段階を示します。交通結節点となるターミナルの配置など、インフラの再編も含め、交通体系のあり方を模索していく段階を示します。
 しかしながら、日本においてはMaaSの統合レベルとして、まだレベル1の情報統合の段階に止まっているのが現状です。
 本市のMaaSへの取組として、コミュニティバスにおいて、交通系ICカードによるタッチ決済や神姫バスが開発した乗車券販売アプリの導入を行っております。このアプリによって、1日乗車券や定期券販売以外にも、神姫バスの利用や施設への入場券も販売可能となっており、キャッシュレス化となっております。
 また、タクシー事業者においては、配車アプリの導入を行っており、このアプリにより、AIによる直接配車が可能となるため、アプリ上にリアルタイムで空車情報が見え、配車までの時間の短縮や事前に料金も確認できます。また、アプリにクレジットカードを登録すれば、アプリでの支払いも可能となります。
 鉄道事業者についても同様に、モバイルアプリの導入により、キャッシュレス化や乗車予約等が可能となっています。
 また、地図アプリにおいても乗換案内が可能であり、目的地までの交通手段や料金を確認することができます。
 コミュニティバスにおいては、グーグルマップやアップルマップでも検索が可能となっており、オープンデータ化も実施しております。
 MaaSを実現するためには、まず移動を司るモビリティの存在が必要となります。新たなモビリティ及び移動サービスについても、MaaSの中で活用されることが今後期待されており、サービス提供を行うアプリケーションもMaaS実現に必要な要素となっております。また、システムやアプリを導入する場合は、それぞれの地域の課題やニーズを調査して正確に把握し、利便性や快適性など、利用者にとって利用しやすいものとしなければならないと考えています。
 移動につきましては、市域をまたがることも多く、2市2町と連携するなど、広域的な視点を持つことが不可欠となっているため、今後も動向についての情報収集を行い、関係する部局と移動に関連する事業者とも連携しながら、調査、研究を進めてまいります。
 以上でございます。



Q
るる説明をありがとうございました。
 MaaSについては、まだまだ時間がかかるというところは十分認識をしております。その中で、実現した暁には、大きな市民生活の向上、福祉に対しても、教育もそうですし、経済的にもそうですし、いろんな効用があるのかなというふうには感じています。
 その中で、今からの大型投資についても、移動手段に対してのストレスをなくすような大型投資が多くありますよね。山陽電鉄の高架もそう、臨海道路もそうです。それも含めて、工業誘致及び流入人口のアップを含めて、いろんな形で、それに照準を合わせて、バックキャスティングで、今、どう変化をすべきかということを考えていきながら、高砂市に住んでよかったなと思える方が高砂市の市民でおってほしいというのは、これも誰もが思うことであると思いますので、しっかりとそれに向けてやっていただきたいと思います。
 あと、比較的財政が痛んでいるのは、台風12号の浸水被害についての治水対策が大きな要因になっているんですけども、でも金を使うことによって、安心・安全な生活レベルの向上が実現できているわけですよね。それをもっともっとアピールしていきながら、来たるべきときに向かって今準備をしておくということが非常に大事かなと思いますので、その辺の準備についてのご意見、市長、最後にちょっと一言、お願いいたしたいと思います。
A

 財務部長のほうから説明、答弁させていただきましたけど、今、横田議員がおっしゃるとおり、台風対策だけではなく、大きな東南海トラフに対応できるように先行投資をしていったというのがこの10年間だったと思います。それをすることによって、市民に対して、やはり財政的な、大きく公債費が膨らんでいるわけですけど、それはやはり安全・安心なまちづくりを行うための投資であって、それ以降は、やはり投資に対しても慎重に考えながら進めていく必要があるというふうに考えております。

これにて、私の一般質問を終わらせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました。