1.ふるさと納税への取り組みについて
今回はふるさと納税への取組についてを題材として一般質問をさせていただきます。
まず、理念と仕組み、実績から、そして高砂市観光ビューローとの関連性、三つ目に将来構想とその出口戦略について質問ないしご説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めにふるさと納税の仕組みであります。ふるさと納税制度は2008年5月、地方創生の一環としてスタートいたしました。ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附を行った場合に、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度であります。一定の上限がありますが、基本的には全額控除であります。
例えば、年収700万の給与所得者の方で、扶養家族が配偶者のみの場合、3万円のふるさと納税を行うと、2,000円を超える部分である2万8,000円が所得税と住民税から控除されます。また、自分の生まれた故郷だけではなく、お世話になった自治体や応援したい自治体など、現在の居住地以外の自治体がふるさと納税の対象になります。控除を受けるためには、原則といたしまして、ふるさと納税を行った翌年に確定申告を行う必要があります。また平成27年4月からは確定申告の不要な給与所得者のために、ふるさと納税ワンストップ特例制度というのが創設をされております。サラリーマンの方でも確定申告なしに税額控除を受けるという仕組みができております。
次に、ふるさと納税の理念をお伝えいたします。
ふるさと納税で日本を元気に、ふるさと納税には三つの大きな意義があります。第一に、納税者が寄附先を選択できる制度であり、選択するからこそ、その使われ方をしっかりと考えるきっかけになる制度であります。それは税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分事として捉える貴重な機会になります。第二に、生まれた故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること、それは人を育て自然を守る地方の環境を育む支援になります。第三に、自治体が国民にその取組をアピールすることで、ふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと、それは選んでもらうにふさわしい地域の在り方を改めて考えるきっかけとなります。
当初は、あまり知名度は高くありませんでしたが、返礼品が人気化したこと、また、税務上のメリットを享受できる上限金額を引き上げたこと、また実質的な負担額は当初5,000円でありましたが、それを2,000円に引き下げたことから、徐々に注目をされるようになりました。自治体サイドも独自財源の確保や地域資源の活用、市民参画といった観点から、その有効性が徐々に認められ、力を入れる自治体が増えてまいりました。
一方、返礼品競争が過熱し、その対策として、返礼品の金額は寄附額の30%まで、そして返礼品提供関連業務に係る経費を返礼品の金額も含めて、寄附額の50%とすることという形で、返礼品は地場産に限定するなどの規制がかかっています。逆にこれによって寄附額に占める利益というのが固定化されるきっかけになって、今、ほぼ受入額に対する利益、キャッシュの余りですね、それが約3割になってます。これは後ほど説明いたします。
ふるさと納税のメリットは、自治体の財源増加、地域資源の活用を通じた地場産業の強化、地域の中小企業の経営力向上、そして市民参画の促進などが挙げられます。デメリットとしては、自治体間での過度な返礼品競争は地方格差の拡大や公平性の損ないを引き起こしています。
先日、ニュースでふるさと納税の令和5年度の寄附額が1兆1,175億円、前年比の1.2倍、そして件数は589万件、前年比1.1倍の報道がありました。令和4年度の寄附額上位の自治体ランキング等をデータに基づいて紹介をさせていただきます。
まずその前に、ふるさと納税の寄附金におけるお金の流れをちょっとご説明したいと思います。釈迦に説法とはございますが、説明したいと思います。これが決算資料に載ってる参考資料に載ってるものなんですけども、令和3年から令和5年までの実質収支についてお知らせをいただいております。1、2、3、4があって、左からですね、寄附額、必要経費、寄附金の税額控除額、交付税措置されている実質収支という項目があります。受け取り寄附額というのはもちろん寄附の総額ですね。必要経費というのは、その受け取った寄附に対して商品を発送したり、それから事務手数料とか送料とか、商品代金とか、そういうものが含まれているのが必要経費であります。寄附金の税額控除額というのは、これは当然受け入れる寄附もありますけども、出ていく寄附もあるという中で、これは高砂市民の方が、高砂市以外にふるさと納税のために寄附をされた方、言えば金額になります。これが2億円あると。交付税措置、その寄附をされて出ていったお金に対して75%が交付税措置をされます。だから、これが継続していくかどうかという問題の中で、この仕組みはどうなっていくのかに関わるところであります。この75%がなければずっと高砂市赤字なんですね。75%を交付税措置をされるおかげで、それが戻ってくるがゆえに実質収支がプラスになっておるという構造です。実質収支が受け取り寄附金額が令和3年で2億3,000万円のところ8,000万円のプラス、令和4年は受け取り寄附額が約3億円のところ9,000万円のプラス、令和5年も約3億円のところちょっと下がって7,500万円のプラスになってます。
それで、受け取り金額に占める実質収支の割合をそこに出してます。ちょっと字汚いですけど、それが34.3%、令和3年度はですね。令和4年度が29.8%。令和5年度が25.6%になります。単純に言えば、売上げともうけの割合ですね、営業収益率になりますけども、そういう流れがあります。
ですんで、ちょっと下がり気味でありますが、この立てつけから言ったら、寄附額、総額に対して25%は利益、実質収支になるであろうということが言えます。これどこの市町でもそういう構造になってます。最低25%ぐらいあるだろうというふうに思われてます。ということは、今年度8億5,000万円の補正の中で売上げがありそうだということが見込まれる中で、8億5,000万円を寄附金額の受入れとしたら25%掛けたら、約2億円ぐらいの実質収支のプラスになるということは、ほぼこれで見えてきます。
高砂市はそういう構造ではありますが、次のデータを出しますと、これが令和4年度の全国で寄附を集めた市町の上位になります。1位から10位まで見ますと、1位が宮崎県の都城市、これ195億円。なんで2割としたら、約40億円実質収支がプラスになってるということなんです。あと北海道が続いて、大阪の泉佐野市。兵庫県は、加西市が13位で63億円。これ2割としたら13億円ぐらいの実質収支のプラスになっているということになります。
次は、寄附を集めた額の上位ですね、こういうふうになってます。
次が、出ていった自治体上位。横浜から、明らかに都市部から出ていって田舎に流れているというので、ある程度税金の再配分というのが都市から地方へこれで流れているという効果はあるというのがお分かりいただけると思います。
その中で、税収減の見通しなんで今申し上げた市税の控除額になるんですね、これ。市税の控除額の中で交付税算入措置が75%出ていったものから戻ってくるということを申し上げましたが、不交付団体は戻ってきません、それが。横浜市は不交付団体じゃない交付団体なんで戻ってきます。これの75%が。名古屋もそうです。大阪もそうです。川崎市は不交付団体なんで戻ってきません、丸々。これだけ市税が減になっていると。さいたま市も不交付団体なんで戻ってきません。神戸市は不交付団体じゃないんで戻ってきてます。東京は23区全部不交付団体なんで全く戻ってきません。こういうような状況なってます。
その中で、県のデータを申し上げますと、これが県です。1番に申しますと加西市ですね。上から順番に並んでます。一番右の方が大きい順に並んでますから、2番目が淡路市で3番目が南あわじ市で、洲本はずっと加西と並んで60億円ぐらいだったんですけども、洲本は例の違反というか、反則でがくっと下がってきてます。こういう状況で、加西やったら13億円ぐらいの実質収支のプラス、淡路市で5億円というふうな流れで実質収支のプラスがありますね。神戸市見てもらったら、受入額が30億円だけども出るのが84億円あるんですね。でも、神戸市は交付税算入措置されるので実質が9億6,000万円プラスになってるという状況です。
高砂市が令和4年度のデータで、22位になってます。比較的、出る金額も高砂市、多いんです。3億円入って2億円出て、1億円ちょっと経費で使ってやから、これが交付税算入措置がなければ、ほぼチャラになります。
それで、この交付税算入というのは、仮に1兆円の売上げがあるとします。そしたら総務省はこれに対して予算組みを、ほぼですね、これ明確に出てきてませんけども、7,000億円ぐらい積んでるんですね、この資金をつくるのに。これを少なくしたいがためにいろんな規制をして、恐らくこの交付税措置というのが、今75%から60%とか50%とかに減ってくると思います。その中でやっていける体制をつくらなあかんか、もうできなければ、自走自立できるような仕組みをつくってこの利益を税金として生むというような構造になっていかないといけないところを将来構想として後ほど説明をいたします。
一番下、芦屋市見てもらえば、芦屋市は不交付団体なんですね。だから、もうそのまま9億円が出っ放しやと。戻ってきませんから。というようなこの仕組みになってます。でも高砂市は今、75%の交付税算入措置があるおかげで、実質収支はプラスになってます。そのうちに、今のうちにしっかりと自走できる仕組みをつくって、その中でこのお金を大事に使いながら、将来に向けてお金を使っていきましょうというのが今日の私の説明と議題になります。
今のが私からご提供するデータであります。あとはお尋ねをいたします。以下、四つの事項をお伺いいたします。若干かぶりますが、一つが高砂市ふるさと納税の寄附額の実績の推移、取扱いアイテムや市民税の控除額、貢献利益、これが今申しました実質収支になります。四つ目が、高砂市観光交流ビューローの当該事業における収益の推移というのもお尋ねをいたします。
また、ビューローのふるさと納税事業における手数料収入と補助金の今後の関連性についてもいかがお考えかお尋ねしたいと思います。今、手数料収入がどんどん上がってきてます。8億円になればかなり上がってると思います。それを補助金との関連の中で補助金もうちょい減らしたらどないかという意見もありそうなんですけれども、頑張ったら頑張っただけ、それをしっかりとビューローで次なる構想、高砂市の貢献のために使っていただきたいという中で、頑張った分だけ何かご褒美あるという構造をつくらないと、頑張っても減らされるとなったらちょっと気の毒やなというふうには感じています。それも含めてお伺いしたいと思います。
それから、寄附先の地域には、歳入増加以外に様々な効果が生まれるチャンスがあります。将来構想とともにご提案をさせていただきます。
まず一つ目が、地域商社というものを創設しませんかと。これ、ビューローのイメージをしてるんですけども、地域の逸品を発掘しPRし、そして自走できる仕組みを構築すると。詳細は市と生産者の橋渡し役、地域内の循環をサポートする。地域商社は、地域に眠る優れた産品を発掘し、マーケティングやコンサルティングを行って生産者の販路や収益の拡大を図ります。観光や異分野と連携して、地域の事業インフラ整備に貢献している事例もたくさんあります。これをビューローの大きな一つの将来構想に向けた役目を担っていくべしということでのご提案であります。
生産者、事業者はこれまでにも、道の駅やアンテナショップなど、地元の産品を集めて販売するチャンネルを持っていましたが、その機能や規模は限定的でした。しかし、地域商社により発掘され、返礼品として採用されれば、一挙に販路が国内全域に広がり、販路が拡大し、売上げ増や新規顧客の獲得などメリットが得られます。また、生産拡大に伴い、新たな投資、雇用が生まれ、高砂市の税収も増加し、地域内での循環が生まれます。
一方、市の職員さんも自分で特産品を見つけてきて、生産者と個別交渉して取引するのは大変です。生産者を取りまとめ、市との橋渡し役となる地域商社が仲介することで、事がスムーズに運ぶというふうに考えます。経験やノウハウを蓄積し、自走できる体制にという観点からお伝えをいたします。
地域商社のいいところは地元に根差して活動し、地域内でのお金を循環させることができるという点であります。こうした業務を首都圏の企業に委託している自治体もあると伺ってますが、そうするとお金が地域外に流出する上、地元にそのノウハウや実務経験が蓄積されません。契約が終わればそこで終わりになります。自分たちで1から同じことをするのは困難です。しかしながら、手間がかかるかもしれませんが、地元で地道に取り組んでいれば、その経験を生かして次なる展開を考えることになるのではないでしょうか。地域商社の形態は様々ですが、高砂では観光交流ビューローがその役割を担い、利益を創出し、理想に向けた取組をすることが可能ではないでしょうか。
二つ目、災害支援になります。
有事の際、いかに早く確実に被災地を支援するかの取組が可能です。これは高砂市が被災したということを想定した話になりますが、2018年7月、西日本豪雨により対象地域は甚大な被害を受けました。災害大国日本では、ふるさと納税は災害時に大きな役割を果たしています。2014年より、被災自治体が被災後直ちに緊急寄附を募れる仕組みが構築されています。2018年7月豪雨では、発災後2週間で約10億円を超える寄附が集まりました。その後も増え続けました。そうした成果が出ているということはよい事例ですが、まだまだ問題点はあります。災害を経験するのが初めてという自治体が多く、災害対応に追われるがゆえに多忙になり、決裁などに時間がかかり、緊急フォームを展開するまでにタイムラグが生じてしまいます。実際、開設日が3日遅れるだけで、寄附金額が約7分の1になってしまったという事例もあります。ニュース映像を見て何とかしてあげたいという気持ちが高まり、危惧される方が多いので、やはりスピードが最優先であります。
災害時に通常の寄附フォームから申し込まれると、かえって職員の方の手間が増えて、そこでうまく作動しません。そこでいつ災害が起こってもすぐに寄附が受けられる窓口として専用フォームがふるさと納税の窓口というか、サイトでつくれるようになっておりますので、それの採用もいかがでしょうか、ご提案いたします。
お金以外の情報を発信するプラットフォーム構築へ。
ふるさとチョイスの取組ですが、被災地支援パートナーシップ制度というのがあります。これは被災地自治体に寄附をすることで、寄附した金額の3%が被災地自治体に送られる仕組みです。自治体の連携により、寄附者は通常どおりの寄附で、間接的に支援を送ることができます。
三つ目に広域連携であります。他市町との連携で共通課題の解決へ。
ふるさと納税は自治体への寄附なので、自治体単位で取り組むものですが、その垣根を超えた自治体同士の連携ができると考えています。一つの自治体だけでできることは限られており、また単独ではなかなか解決できない課題も複数の自治体が一丸となって取り組むことにより顧客満足度が上がり、ふるさと納税の寄附額が集まる可能性があります。事例として、高知県内の10市町では、地元の産品をお互いに出し合って、共同で返礼品定期便をつくり、共通返礼品と言いますが、好評を博しています。近隣自治体が連携することで、一つの自治体で行うよりも特産品のブランディングやエリア全体のPR、交流人口のアップが期待をされる取組であります。
四つ目、ガバメントクラウドファンディング、これGCFと略しますが、へのチャレンジをしてはどうでしょうかということで、これちょっと水道の100周年で、企業版ふるさと納税でありましたが、実を結んでますがそれの延長線上といいますか、にあるような仕組みがあります。
ふるさと納税では、返礼品を通常のクラウドファンディングでは、リターン、商品やサービスを寄附者や支援者に返さなくてはなりませんが、ガバメントクラウドファンディングではその必要がありません。返礼品を用意しなくてもいいため、集まった寄附金は、プロジェクトそのものに全額投資ができます。自治体がプロジェクトオーナーとなって、具体的な使い道を示して寄附を募り、基金を調達する方法です。その使い道には共感、賛同した人たちが自治体に寄附し、通常どおりの寄附金控除の適用が受けられます。
GCFは、自治体が抱える地域課題や社会課題の解決に向けて、寄附者の意思を直接反映できる仕組みです。環境保護や文化的建造物の保存、子どもの貧困対策、教育支援など様々なテーマのプロジェクトを立ち上げることができます。現状ではいち自治体が単独で行う地域課題に特化したローカルなGCFがほとんどでありますが、今後は、自治体が複数または広域で共通の課題に対して解決を目指すことができると考えています。
域外から外貨を獲得することが、ふるさと納税の構図ではありますが、それによって地域のGDPを維持していく、大きくしていく必要があります。そしてふるさと納税で獲得した資金を、地域の将来発展のための投資に回す必要があります。地域ではキャッシュフローを生むような事業をつくらないといけません。市外の方たちが積極的に関与し、関係人口、交流人口にも貢献をしていただくような仕組みも実現可能だと思っております。
以上の4項目、一つは地域商社の創設、それから二つ目が災害支援、有事の際いかに早く確実に被災地に支援できるかというところ、三つ目が広域連携、四つ目がガバメントクラウドファンディングの取組についてご提案とご説明をさせていただきました。
以上の4項目を、高砂市におけるふるさと納税制度を活用したふるさと創生施策として提案をしたいと存じます。この施策の事業主体を観光ビューローとして、その活動原資をふるさと納税に関する手数料収入をもってそれに充てる、その考え方を持っています。
また冒頭で申し上げましたが、このスキームというのは長くは続かないと思ってます。75%の付保率で7,000億円ぐらいの目に見えない税金を使われていると。これも一つは都会から田舎への税金の平準化になるかも分かりませんけども、私個人的にはそれはもう地方交付税だけで対応すべきだというふうに考えてます。だから、いずれどっかでこれが交付税の率が75%から今言った60%とか50%になって、それでもできるとこはやったらいいという中で、高砂市、今の構造ではなかなかこれは続きません。続かない中で、今こういうふうな形で実質収支がプラスになってる間に、地域創生、このお金を使って次に結びつけるようなことをやっていかないといけないのではないかなということも併せてお伝えをして、壇上での質問を終わります。ありがとうございます。
17番、横田英樹議員の一般質問にお答え申し上げます。
ふるさと納税への取組についてのうち、将来構想については私のほうから、それ以外については担当部長から答弁いたしますので、よろしくお願いします。
まず私のほうからです。
一つ目、地域商社につきまして、現在市と記念品取扱い事業者の中間事業者として、市内事業者と密に連携を図り記念品の開発、企画を受注できる事業者として高砂市観光交流ビューローに委託をしております。記念品取扱い事業者と協力し、新たな記念品の発掘、企画、開発をしていただいており、今後も生産者である事業者の皆様と連携し商品開発に当たっていただけるものと考えております。
二つ目、災害支援については、本市でもふるさとチョイスと契約しており、本市が被災した場合、早急に寄附金の受付対応ができるよう事前に準備を行っております。
三つ目、広域連携、他の自治体との連携については、既に幾つか行っております。具体的には本市と加西市、明石市で連携をし、それぞれの市の食材を用いたメニューのディナー券を記念品として取り扱っており、このディナー券は神戸ハーバーランドで利用していただけます。また、兵庫県内の市町が連携し認定を受けた神戸牛を記念品として取り扱っております。
四つ目、ガバメントクラウドファンディングについては、他の自治体にお聞きするなど調査研究をいたしました。メリットは、議員ご指摘のとおり一定あるものと理解していますが、寄附金が集まらなかった場合、事業者そのものをどうするのかの整理や、事業選定の業務、また選定した後PR経費などの費用が必要となるなど課題があります。他の自治体の担当者の方から状況をお聞きした結果、現在本市においてこの手法を採用するのは、費用対効果等の課題を解決する必要があると考えています。
市内の事業者からはふるさと記念品として取り扱ってほしいとのビューローへのご相談がよくあると報告を受けています。今後もさらなる寄附額の増加に向けて、ご提案のとおりビューローとよく連携をし、本市の魅力の発信及び地域振興につながる記念品を増やしていくとともに、市としては総務省からの通知などの制度改正にしっかりと対応し、法令を遵守したふるさと寄附金事務を行ってまいります。
また、より多くの方に本市の特産品を知っていただくためにも新たなポータルサイトの導入等、調査研究を継続してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
私のほうからは、まず高砂市への寄附額の実績推移のほうをご答弁いたします。
ふるさと寄附金は全国に受入額及び受入件数共に上昇を続けており、令和5年度全国のふるさと寄附金受入額は前年度比で約1.2倍、受入件数は前年度比で約1.1倍となっております。
本市のふるさとを寄附金の歳入の過去5年の実績も、令和元年度は約1億2,000万円、令和2年度は約2億円、令和3年度は約2億4,000万円、令和4年度は約3億円、令和5年度には約1億1,000万円と年々増加しております。令和6年度におきましても順調に歳入を増やしており、7月末時点で約1億5,900万円の歳入があり、本定例会で補正予算をお願いいたしましたが、令和6年度末には8億5,000万円の寄附額が予測され、前年度比で約2.7倍を見込んでおります。
次に記念品、そして寄附控除額等についてでございます。
ふるさと寄附金への記念品の数は、各年度4月の件数で、令和2年は116件、令和3年は177件、令和4年は251件、令和5年は284件、令和6年は341件と年々増えております。
市長が申し上げたとおり、ふるさと寄附金記念品発送等事業につきましては、記念品取扱い事業者と市の中間事業者として、高砂市観光交流ビューローに委託しております。ふるさと寄附金の記念品になれば、全国の人にその商品や事業者名を知ってもらうきっかけになり、本市の魅力の発信及び地域振興につながることから、新たな記念品の企画や商品開発については、ビューローが事業者へ提案や協力をしながら品数を増やしているところです。
また、高砂市民が他の自治体へふるさと寄附金を行っていることにより、適用された寄附金税額控除額については、令和元年は約1億円、令和2年は約1億3,000万円、令和3年及び4年は約2億円、令和5年は約2億4,000万円となっております。
次に実質収支についてでございますが、ふるさと寄附金制度の収支の考え方は、まず、高砂市への寄附額に対して、ふるさと寄附金記念品発送委託料、ポータルサイト利用料、寄附金取扱い手数料等の経費が約半分必要となります。また、市全体としては高砂市民の方が他の自治体に寄附を行った場合、寄附金税額控除額により市税収入が減ることになりますが、この税控除額の75%は普通地方交付税として措置がされております。
これらを考慮すると、計算上過去5年間においては、ふるさと寄附金制度に関連して、本市は実質的には赤字にはなっていないと考えております。
次に、ビューローの収益の推移についてです。
ふるさと寄附金記念品発送等事業を委託しているビューローの業務内容は各ポータルサイトのシステム管理や記念品の発注発送業務、寄附者からの問合せの対応、記念品の開発と記念品の発掘などとなっております。寄附金に応じて業務量は変動することから、寄附金額に対して消費税抜きで4%の率を乗じた額を委託料とする契約をしております。よって、ふるさと寄附金が増えれば、それに伴ってビューローの業務やそれに要する経費も増え、一方で市からの委託料収入も増えるという契約となっております。
次に、ビューローの手数料収益と補助金についてになります。
高砂市観光交流ビューローに対する補助金につきましては、ビューローが行っている様々な観光について、昨年度、高砂市の観光施策についての中で考え方を整理する上で、補助金対象事業を協議させていただきました。
ふるさと寄附金記念品発送等事業委託料については、先ほども申し上げたとおり、中間事業者としてのビューローに委託しております。本定例会の補正予算でもお願いしたように、今年度のふるさと寄附金の取扱いが増えることが見込まれるため、それに伴い、市が支払う委託料は増えるものと考えております。
市としてはビューローが今後も継続して安定的に事業を実施していくためには、団体としての一定程度の内部留保が必要であると考えております。ビューローにもふるさと寄附金に関する業務での収益は当面、内部留保したいという旨を確認しておりますが、今後も、高砂市の観光事業として広く市民の皆様に喜んでいただけるような事業展開を期待しているところでございます。
私案としてではありますが、出口戦略をお伝えしたいと思います。
15年が経過したふるさと納税制度による本来の効果は、本制度を基にして本当に足腰の強い地場産業が生まれましたか。そして、各地域が関係人口、交流人口の増加を通じて、地域活性化を実現できたかによって測定されるべきと考えております。でなければ、従来の補助金、助成金による地方への延命措置とあまり変わらないと考えています。企業の場合は返礼品市場だけではなく、通常のネットショッピングや通販市場での活躍できる企業になり得たのかというところも一つの判断基準だと思います。返礼品市場でしか勝負できない状態が続くならば、それは制度や国に依存せざるを得ない会社をつくってしまうことになります。ふるさと納税で資金調達することのみに躍起になるのではなく、ふるさと納税を起点として、高砂市の経営力を高めることに焦点を当てなければならないと感じています。
自治体運営においても同様のことが言えます。域外から外貨を獲得することが、ふるさと納税の構図であり、地域の延命は可能でありますが、その資金が尽きることになれば後がなくなってしまいます。そのためには、ふるさと納税で獲得した資金を、地域の将来発展のために投資する必要があります。先ほど申し上げました今年度では約2億円がそれに当たります。地域でキャッシュフローを生むような事業をつくることも大事ですし、地域外の方たちに積極的に関与して関係人口、交流人口増に貢献できる各種取組を実施していく必要があると認識しますが、いかがお考えでしょうか。ちょっと時間が少ないですがよろしくお願いします。
寄附金につきましては、年度終了後になりますがそれぞれ各事業に応じた充当をしているところでございます。このような寄附金によりましてできました財源につきましては、来年度以降の施策を考える中で検討していきたいと考えておるところでございます。
ありがとうございます。以上で私、日本維新の会、横田英樹の一般質問を終わらせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました。
