一般質問
まず、1人当たりGDP(購買力平価)の1995年と2024年との変化をご案内致します。GDP(国内総生産)とは、国内の生産活動による商品・サービスの産出額から原材料などの生産原価を控除した付加価値の総額です。購買力平価とは各国の為替相場と物価水準の差を修正し、より実質的な国際比較ができる指標です。
またGDPには生産面・所得面・需要面と3つの側面があり、それぞれは同じ値になります。ですのでGDPは日本にいらっしゃる方々の所得の総合計と見てもらえればわかりやすいと思います。
1995年とはどんな年だったのでしょうか?
阪神大震災・オウム真理教による地下鉄サリン事件・不良債権で金融機関の破綻が相次ぎ、景気停滞、円高株安で公定歩合史上最低の0.5%。
日本経済はバブル崩壊後の低迷から抜け出せず、金融緩和の継続や円高の進行などにより景気の回復ペースが鈍化はしましたが、雇用や所得の増加、企業収益の改善などから景気は緩やかに拡大し、実質DGP成長率は2.6%に達しました。
しかしながら30年後の現在はどうなっているのでしょうか?
1995年の一人当たり購買力平価GDP(IMF統計)では世界8位だったのが30年後の2024年は40位。
1位はシンガポールで日本はシンガポールの35%、アメリカは6位で63%、台湾は14位で66%、
ドイツは22位で77%、フランスは28位、韓国は29位で80%、イギリスは31位で83%。
伸び率で見ますと、日本110%、シンガポール364%、アメリカ299%、台湾256%、韓国276%
イギリス227%、ドイツ172%、フランス172%
従業者1人当たりの労働生産性を見てみますと、2024年OECDのデータでOECD38カ国中32位であります。どれだけ稼いだかを日本円に換算すると、5位のアメリカが25百万、8位のイタリアが22百万、11位のフランスが21百万、14位のドイツが20百万、27位の韓国が14百万、32位の日本が13百万です。
日本がいかに衰退しているかの危機感を持たねばなりません。そして20年計画とかの長いスパンで生産性を高める努力、日本経済の体質改善を進めていかいないと将来世代の豊かな暮らしは望むべくもありません。日本人の人材の質は長い間世界ランキング一桁台です。このアンマッチは早く解消しなければなりません。
私もそうですが報酬の原資が税金の方々はGDPの付加価値の要素から見るとGDPへの直接の貢献度はゼロです。
我々はお金を上手く使うのが仕事です。使ったお金以上の効果を将来に渡って産み続ける仕組み作りが仕事です。大型公共投資の是非はB/Cで決まります。まさしくその考え方が大事です。
そしてさらに労働人口が減り続けます。かつての我が国の繁栄は人口増の要素がほとんどだったのです。
今 日本国に求められるのは1人当たりGDPを、また労働生産性を他の先進諸国並みに上げ、まずは台湾韓国に追いつくことから始めなければなりません。そして今後まだまだ上昇するであろう社会保険料に耐えうる賃金の上昇を実現せねばなりません。多くの諸外国が実現されていることなので我々にできないはずはありません。
前置きが長くなりましたが、
その理念のもと、高砂市の未来に向かって、さらに生産性を高める施策や公共投資、高砂市として税金のスマートな使い方、投資の優先順位をゼロベースで再思考する。私が思い描いているものをご提案し、それに対するお考えをお尋ね致します。
広域連携(2市2町)視点での公共施設マネジメント計画の再構築
東播臨海広域行政協議会(2市2町)での(仮称)広域公共施設マネジメント委員会の立ち上げ。
エコクリーンピアはりまと伊保スポーツ広場を好事例として同様な取り組みを
さらにウィングを広げて考えてみてはいかがでしょうか?
各市町がフルセット主義でそこそこの満足度の施設を持ち、その維持継続に4自治体それぞれが税金を投下する、というのが非常にもったいないと感じます。
カバーエリアの広さ狭さで2市2町内での保有施設ごとの対応を協議する、
例えば代表する施設が1ヶ所でいいのであればその施設への市民の満足性の極大化を図るとか、です。
例)公設の大型レジャープールを2市2町で一つ
公共交通網の発展により相互乗り入れができるようになり、移動のストレスはいずれ必ず軽減します。
財政的に最も脆弱な高砂市が音頭をとって進めるべきであると考えます。
過去議論になっていましたが
高砂市で言えば小中学校のプールを全廃して総合運動公園内に屋内温水プールを作る。水泳の授業はそのプールを使う。さらに言うと加古川ウエルネスパークと同様のものを検討し、市民の健康増進拠点を作るとか。室内の温水プールであれば25mレーンが5本あるもので6〜7億円でできます。現在の小中学校のプール保全管理費は1校あたり年間200万円程度との試算もあります。16校で年間約3000万円です。
対象は主に大人数が利用する施設になります。
この広域での公共施設総合計画の取り組みについてはいかがお考えでしょうか?
乗合型AIオンデマンドバスの導入について
目的:移動困窮社会にならないため 誰でも、好きな時に、好きな場所へ
乗合型AIオンデマンドバスの運行と普及拡大にチャレンジされている企業を紹介致します。
1つはバス名「のるーと」 会社名 ネクスト・モビリティ株式会社 2019年設立 資本金5.5億円。西日本鉄道と三菱商事の合弁会社であります。
2025年1月現在全国50箇所での運行実績、兵庫県では昨年11月に宝塚市、丹波篠山市が運行開始されています。
2つはバス名は「モネット」 会社名 モネットテクノロジーズ株式会社 2019年設立 資本金50億円
トヨタ自動車、ソフトバンク、日野自動車、本田技研などが出資
自動運転車時代に向けたMaaS事業を推進され、オンデマンドのみならず医療MaaS・行政MaaSを中心に全国での導入自治体数は2025年7月現在で105地区に広がっています。
AIオンデマンドバスの名称は「のるーと」
AIオンデマンドバスの特長としまして
誰でも簡単に配車予約
・乗りたい時に予約可能
・乗降場所と時間を希望するだけ
・電話、アプリ、ウェブ、その他
AIによる自動案内と運行指示で省人化
・アプリ/ウェブで自動案内
・ナビルートを自動生成案内
利便性が高く輸送効率も高くなります
・小型車のため運行ルートが自由自在
・近くから乗れる、近くまで行ける
・需要に応じ乗合するため効率的
・当市ではミーティングポイント(乗降場所)は300箇所が可能です。
データに基づき施策が打てる
・運行体制やマーケティングの改善
・PDCAサイクルの実現
乗務員採用の「裾野」が広がる
・小型で運転しやすい、非歩合制・昼間帯中心の勤務、エリア密着
・大型路線バスでもタクシーでもない新しい乗務職種
先行導入されている自治体からは総じて、高齢者・ファミリー・小中学生まで幅広い世代が利用、家族の送迎負担が大きく軽減された、との実績が報告されています。
これも広域で実現すると全市民にとってさらに大きな利便性アップに繋がるはずです。いずれ必ず自動運転になります。
アメリカ・中国ではフルスペックの自動運転(運転手がいない)タクシーが普通に走っています。
整備環境は一挙に整いつつあると感じます。最重要課題はタクシー会社との協働態勢の構築と理解しておりますが、のるーとでは全国で50事例があるわけですので参考事例はたくさんあると思います。
誰でも、好きな時に、好きな場所へ。
中学校部活動の地域展開におけるスムーズな練習場所への移動、いずれ必ず必要となるスクールバス、高齢者の方々の健康づくりや買い物難民の解消など
将来に向かっての投資と考えます。
AIオンデマンドバスの早期実証実験スタートについての取り組みについてはいかがでしょうか?
高砂市民病院のあり方についてグレートリセット
「将来にわたっての継続的な市民の安全安心な生活レベルの向上」 という観点で極限まで選択肢を広げて考察する必要があると感じています。
25日に市民病院についての全員協議会が予定されていますので回答いただける範囲で構いませんのでお答えください。
現市民病院から新市民病院への移転新築で、対象病院が1対1でなければならない理由はなんでしょうか?
再編統合の可能性は
現在の計画では整備資金の25%は交付税措置されます。しかしながら
再編統合(2以上の病院が1つになる)になれば40%の交付税措置になります。直近でそれが実現した自治体これは箕面市でありますが、総額の42.5%を統合再編対象となった指定管理先の民間病院が負担しています。従いまして箕面市の一般財源負担は総額の17.5%にしかなりません。また同様なケースで兵庫県川西市立総合医療センターがあります。交付税措置は37.4%、県補助金は7.1%、指定管理者が46.5%。市の一般財源負担は総額の9%です。当然ご担当の方は理解されていることですが、検討された経緯はありますでしょうか?
県内公立病院の経営データからすれば、最も厳しい経営になると予測されるカテゴリーに入りますが、その対応策は?
東播磨医療圏域での高砂市民病院の公立病院としての役割の明確化は?
公立病院としての役割として救急医療の充実と小児周産期医療は離せないと考えます。5疾病5事業に対する基本方針についてはどうお考えでしょうか?5疾病とはがん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病・精神疾患のこと、
5事業とは救急医療・小児医療・周産期医療・災害医療・僻地医療のことです。
投資と将来性について?
おそらく150億円になろうとする投資金額になります。20年後30年後の将来からバックキャストで鑑みた場合、市民の安全・安心な生活の向上実現の
ために最優先される事業なのか?現在進められている方向性以外に違った方向は探せないのか?再度ゼロベースで検討する必要があると考えます。
今進められている計画は日本の医療行政や医療環境から鑑みて、将来にわたって引き続き赤字経営が続いてしまう可能性が高く、結果、広義の意味での市民の命と健康を守る施設になるのかを懸念しております。
以上で、壇上での質問を終わります。
