令和2年6月高砂市定例議会一般質問

1.選挙活動時のパンフレット「4つのチャレンジ」の人口以外の3つと基本的な取組方針との整合性について

2.同上パンフレット「実現のための10プラン」について現在の認識は (特に1・4・9について)

3.新しい時代(アフターコロナ)へ向けてのパラダイムシフト
  (1)教育文化行政の今後の取組について
  (2)構築物への公共投資の再考(B/Cの見直し、基準値の高砂独自設定)

Q
日本維新の会、横田英樹です。通告順に従い、質問させていただきます。  まず、この冒頭に、この場を与えていただきました今竹議長、藤森議会運営委員会委員長はじめ議員の皆様に御礼を申し上げます。誠にありがとうございます。  アフターコロナの社会とは、ビフォーコロナに戻ってしまうのではなく、多様な価値観を認め合う社会を前提に、自立する個人、自立する地域、自立する国家を実現することにあります。  そのためには、自助、共助、公助の範囲と役割を明確にすること。現役世代を活性化し、世代間の協力関係を再構築することにあります。そして、多様な価値観を認めれば認めるほど決定でき、責任を負う民主主義、決定でき責任を負う地方自治統治機構を確立しなければなりません。  コロナ禍で諮らずにも判明したように、もはや旧来の日本型国家運営モデルは機能しなくなっております。弊害のほうが目立つようになってきております。今の、また将来の日本の豊かさと安全を維持するには、国を中心とする運営ではなく、地域と個人の創意工夫による競争力、活性化が必要です。そのためには、国民、市民の総努力が必要と思っております。  では、本来の質問に入らせていただきます。  大項目の一つ目は、都倉市長の選挙活動時のパンフレットにございました4つのチャレンジで、まず一つ目の人口につきましては、市長自ら修正をされましたが、この謙虚な姿勢には敬意を表したいと思います。  あと、三つのチャレンジ、豊かな生活、環境づくりに挑戦します。元気でわくわくするまちづくりに挑戦します。質の高い市民サービス提供に挑戦します。以上の3項目と施政方針にあります三つの基本的な取組方針との整合性について、現在のご認識も含めてお伺いいたします。  大項目の二つ目は、同じパンフレットでございます、実現のための10プランについてで、行政のトップとして現場に入られて2箇月になられますが、それぞれの項目について、現在のご認識はいかがでしょうか。コロナ対策で落ち着いて勉強される時間が限られていると存じますが、一刻も早く民間感覚を取り入れた行政経営をしていただきたいため、あえてご質問いたします。  時間も限られていますので、五つのプランについてのみお伺いいたします。  一つ目、高砂市ってお金がないと思っていませんか。  三つ目、市民病院が今後どうなるのか。  四つ目、子育て支援、教育環境等についての今後のビジョン。  六つ目、まちづくりについて、山電高砂駅、JR曽根駅。  九つ目、高齢化に伴う農業の担い手。  以上の5項目についてお願いいたします。  大項目の三つ目は、新しい時代、アフターコロナ、withコロナへのパラダイムシフト、高砂市民一人当たりの歳入歳出の最適化を目指してと題して2点お伺いいたします。  1点目は、教育文化行政への予算配分についてであります。  決算カードというものがございまして、その類似団体比較、全国で93団体ありまして、比較データとしては参考が93あるということで有効との認識がある資料でございますが、それにおいての平成21年から平成30年の10年間の累計において、目的別歳出の人口一人当たりの教育費の平均値、10年間の平均値でありますが、高砂市が一人当たり3万2,547円、類似団体平均が4万5,418円となっており、高砂市は類似団体平均の72%であります。類似団体平均人口を7万人にすると、毎年約9億円を教育文化予算にプラス計上されていてもおかしくはなかったのではというふうに理解をいたしますが、この理解についてどう認識されますでしょうか。  2点目は、フロー、ソフトへの当市の極大化を図ることによる、日本一住みたいまち高砂実現についてであります。  建築物、ストックへの公共投資のゼロベース予算化、B/C、これ費用対効果という意味ですが、の見直し、当該数値基準の独自設定で熟慮に熟慮を重ねて既成概念、過去の慣習にとらわれることなく、ストックへの投資をフローの投資にシフトすることにより、実現の可能性が高くなると認識をしております。  行政が先導し、ICT化兵庫県№1から目指されるというのはいかがでございましょうか。日本一住みたいまちを実現するためには、行政経営において過去にとらわれない新しい高砂に衣がえするため、パラダイムシフトを前提に、あるべき高砂の将来像を想定し、その実現を旨とした新たな目的別歳出の予算枠を設定し、人口一人当たりの歳入歳出の最適化を図ることが必要ではないかと推察いたします。  お金の使い方を変えないと高砂は変わらないとも考えております。都倉市長の就任された今が大きなチャンスであります。都倉市長のご所見をお伺いいたします。  以上で、壇上での質問を終わります。



A

(答弁:都倉達殊市長)

8番、横田英樹議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 私は、市長選挙に立候補するに当たり、高砂市に新しい風を吹かせたいと思い、民間経営者として初めて高砂市長の職につきました。
 市長選挙のときに掲げた4つのチャレンジは、私がこれからの市政運営に当たって挑戦する思いを表したものであります。
 施政方針では、私が市長として挑戦していく上で、施策を大きく三つに分類して示したものであります。
 豊かな生活、環境づくりに挑戦します。元気でわくわくするまちづくりに挑戦します。質の高い市民サービス提供に挑戦します。これらのまちをつくるために、これから取り組む施策を安全・安心で健康なまちづくり、教育環境の整備されたまちづくり、持続可能なまちづくりに分類いたしました。
 この三つの基本的な考えの中で、申し上げた内容につきましては、まだまだ例示にすぎない部分もあると考えております。これからは、市民の皆様や議会からのご意見に対して耳を傾け、より具体的な施策を検討し、実施してまいります。
 私が選挙のときにお示しをした実現のための10プランについて、まず、プラン1の高砂市の財政についてですが、財政力指数については地方公共団体が標準的な行政運営を行う場合に必要な一般財源額のうち、どの程度地方税等の収入で賄えるかを示した指標です。本市におきましては、3箇年平均で0.90となります。財政力指数が高いほど、普通交付税算定上の留保財源が大きいことになり、財源に余裕があると言えます。
 しかしながら、普通交付税制度につきましては、税収入が増えると交付税は下がり、逆に税収入が減ると交付税は上がるところから考えると、一概に財政力指数が高いと余裕のある団体であると判断できず、財政調整基金や特定目基金の残高等も見据えながら判断していく必要があると考えられます。
 本市におきましては、平成30年度決算で財政調整基金につきましては約26億円、減債基金と特定目基金と合わせますと約57億円となっています。また、市債残高についても注意が必要です。残高が多くなると、公債費に跳ね返り、将来的に財源が拘束されます。こういった現状を踏まえ、持続可能な財政運営を維持するために、社会情勢の行方、地方財政計画の方向性、本市の行政需要を慎重に考慮し、財政調整基金残高と公債費及び市債残高の三つのバランスを見極め、財政状況に応じて柔軟に対応してまいりたいと考えております。
 プラン3、高砂市民病院の今後についてですが、高砂市民病院は公立病院として存続させたいと考えております。病床数につきましても、既に199床にダウンサイジングしており、効率的な病棟運営を実施しているところです。これからの病院機能につきましては、現状は地域の急性期機能を担っておりますが、今後、ますます需要が増加すると見込まれる回復期医療へのシフトが望ましいと考えております。
 そのためには、加古川中央市民病院との連携をさらに強化し、高度急性期を脱した患者の紹介の受入れを可能な限り行い、地域包括ケア病棟の稼働率をアップさせ、収益の向上に努めてまいります。
 プラン4の子育て支援や教育環境の今後のビジョンにつきましては、6歳までの子育て、幼稚園、保育園、こども園の待機児童はゼロで、他市に比べて充実していると考えております。
 さらに、その後の義務教育の環境については、整備が必要であると考えております。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受け、国においてはGIGAスクール構想の早期実現のため、端末整備の前倒しを支援する考えが示されました。
 高砂市におきましても、このような国の動きや学校の臨時休業の状況を踏まえ、小学校1年生から中学校3年生までの全学年に対象を拡大し、一人1台の端末整備による教育環境の充実に取り組んでまいります。また、学校での学びだけではなく、家庭でも児童・生徒が学習に端末を活用できるよう、学習用ソフトウエアの整備とともに、LTE環境を実現する準備を進め、補正予算をお願いしているところです。
 プラン6のJRや山電の駅周辺、また、サンモール跡地など将来のまちづくりについてですが、JR曽根駅南側からのアクセスの改善については、南改札口設置に向けて、駅南周辺の需要予測により、利用者の増加を算定し、JR西日本と協議する資料を作成するため、本定例会の補正予算として基本調査業務委託料を計上しております。今後、兵庫県とも連携しながら、南改札口設置の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
 山電高砂駅前開発については、市の玄関口として山陽電鉄高砂駅南地区交通結節点であり、市内唯一の商業地域に位置しているにもかかわらず、老朽化が進む商店街や駐輪場等の土地利用の状況にあり、中心市街地への人の動線や狭小な駅前空間への通過車両の進入など、喫緊の課題があります。これらの課題を解決するために、駅前広場を整備し、交通結節点として、その利便性の向上を目指すとともに、駅へのアクセスを整備することにより、高砂駅南周辺地区の町のにぎわいを創出し、来訪者への情報発信の場として整備するため、高砂駅南周辺整備基本計画を令和2年2月に策定し、この計画に基づき進めてまいります。
 サンモール跡地については、以前より市からアスクプランニングセンターヘ早期整備を要望しております。アスクプランニングセンターとしても、早期に事業開始を進めていきたい意向は持っておられますが、今のところ具体的な事業開始時期は示されておりません。市としましては、今後も引き続き早期着手等公表を強く要望をしていきたいと考えております。
 プラン9、環境対策、農業の今後についてですが、現在、給食用の食材としてタマネギ、ジャガイモ、白菜、キャベツなどの地産食材として提供されており、地域内における消費の促進に取り組んでおります。
 UJIターンにつきましても、空き家とセットで希望する方には耕作放棄地などの農地を紹介し、気候のよいこの地で農業も楽しんでもらえるよう、農家と希望者の間に入り、紹介を行うような施策が必要と考えております。また、耕作した農作物を活用した6次産業の推進についても、県農業改良普及センターや農家、商業者等の意見をお伺いし、どのような進め方がいいか、調査研究してまいります。
 本年度策定を予定している高砂市都市農業振興基本計画の中でも、本市の現状や他市の事例等を研究するとともに、庁内の関係部署とも調整を図り、どのような施策が必要か調査研究してまいりたいと考えております。
 教育文化行政への予算配分についてですが、類似団体とは総務省が行う地方財政状況調査において、人口と産業構造により類型を設定しており、高砂市は人口が5万以上10万未満で、2次、3次産業が90%以上、かつ3次産業が65%未満である、「Ⅱ-2」に分類されています。
 県下では、三木市、丹波市、たつの市、全国では93団体が同じ類型になります。これらの類似団体と比較して、高砂市は平成21年度から平成30年度まで10年間平均の人口一人当たりの教育費が低いとのご指摘ですが、近年は中学校給食の開始、小中学校への空調設備の導入、GIGAスクール構想に沿ったICT教育環境の整備などを進めており、決して類似団体に比べて劣っているとは考えておりません。また、今年度は学習指導要領の見直しに合わせて、ALTの増員をするなど、限りのある中でめり張りをつけて事業を進めております。限られた財源をどう配分するか、財政状況を見ながら対応してまいりたいと考えております。
 フロー、ソフトへの投資についてですが、ハード事業とソフト事業の選択に当たっては、当然、その事業の必要性を第一に検討し、財政調整基金残高と公債費及び市債残高の三つのバランスを見ながら決定しなければならないと考えています。また、その結果が目的別予算として編成されると考えています。
 市有建築物の管理方針については、平成29年に公共施設等総合管理計画を策定してから、平成30年には公共施設の最適化検討に当たっての市の考える方向性と、公共施設の包括管理委託導入実施方針、昨年度末には公共施設保全計画が策定されております。
 今年度、これらの計画を取りまとめ、全体最適化計画として個別施設計画を策定します。建て替え時期が近づく施設などについて、単に施設を解体し、同様の施設を建てるといった計画ではなく、必要性や適正規模、稼働率を上げるための複合化、PPP手法を活用できないかなどについて、サウンディングを行うなど、先を見据えた施設の最適化に向けた計画を検討してまいります。
 これらを行う際には、従前の計画や考え方にとらわれることなく、人口や利用者数、必要性に対応した計画を進めてまいります。また、この全体最適化の策定に合わせ、アクションプランを策定し、変化に対応した取組をすることも検討させていただきます。
 以上でございます。

Q
(横田より)
再質問じゃなしに、現状の報告等含めて、感想も含めて申し上げておきたいと思います。
 今、市長のご答弁にありました農業の育成、振興なんですけども、6次産業化というお言葉を頂きましたが、県の補助金が出てるんですけども、高砂市の場合、取組事例がまだゼロでございまして、加古川市が5件、姫路市は十数件あがっておりますので、今後、アフターコロナの関係で食料需給率というのは国是として上げないといけないというような流れになろうかと思いますので、まだ、高砂市は休耕田が13%、耕地の中であるというデータもありますので、それを活用しながら地産地消、地域創生及び地域からの雇用創出ということを含めてご検討いただければと思います。
 それと、市長のご答弁の中で、従来の計画や考え方にとらわれることなくというような表現のご答弁を頂きましたが、それにつきましては安心し、かつ感謝をいたしております。
 それともう一つ、市民の方へのコロナ対応の市長メッセージでございますが、初めてYouTubeを使われてということで、非常にインパクトというか、効果のある対応されておるんではないかなというふうに思っております。
 今後も引き続き、民間の出身の市長として、民間のノウハウを存分に市政に反映されながら、市政運営に臨んでいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。