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①前文②病院③地域交流交通④公共施設 と
4回に分けてお読みいただけたら嬉しいです。
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人口減少時代における高砂市の広域連携について
〜 病院・地域公共交通・公共施設の一体的な連携促進〜
現在、日本の自治体は急激な人口減少と少子高齢化という、これまでに経験したことのない時代に突入しています。
人口が増えていた時代は、それぞれの自治体が・病院・公共交通・公共施設を中心としたインフラ整備を単独で整備し運営する、いわゆる「フルセット型行政」でも成り立っていました。これらは人口増加時には、一定の合理性があったと思います。しかしながら人口減少・少子高齢化社会ではこのモデルは通用しません。
現在国でも・地域医療構想・地域公共交通計画・公共施設マネジメントなどを通じて、自治体間の広域連携を強く求めています。
人口減少・少子高齢化時代において、自治体、特に人口10万人以下の自治体が単独で行政サービスを維持することには限界があると考えますが、広域連携の必要性をどのように認識されているのかを3事業においてお伺いします。
まずは、本市の現状についてであります。
高砂市は長年にわたり「単独で行政サービスを完結させる」という運営を行なってきました。これは人口増加には一定の合理性があったと思います。そしてまだその「クセ」が残っていると認識しています。
しかし現在は・人口減少・財政制約・施設老朽化という状況の中で、従来型の行政運営を続けることが本当に持続可能なのか?という問い掛けが避けて通れない段階に来ています。それは長期財政計画を見ても明らかであります。
本市の周辺には東には加古川市、稲美町、播磨町、西には姫路市があり、市民生活はすでに広域の生活圏となっています。通勤通学・通院・買い物などで多くの市民が市境を超えて生活しています。
つまり生活は多くのシーンで広域化しているのに行政は単独のまま、という状況です。
このギャップをどう埋めるのかが今後の行政課題だと考えます。現在また将来の財政事情を考えると、その多くのリスクを特に高砂市民が背負ってしまう可能性が非常に高くなります。
高砂市民の安心安全な生活の維持・継続・発展が脅かされてはなりません。
そこでお伺いいたします。
高砂市として、今後広域連携をどのような位置付けで進めていくお考えなのか、
それともその必要性はなく、取り組むことは現在考えていないのか、それも含めてお聞かせください。
次に医療についてお伺いいたします。
医療は、病院の存在という狭義の医療ではありません、広義の、市民の命と健康を守ることに直結する極めて重要な分野です。
しかし全国の自治体病院は①医師不足②経営悪化③人材不足など多くの経営的課題を抱えています。そのため現在は地域全体で医療体制を構築するという考え方に変わりつつあります。国の方針もその動きを促す施策を打ち出しています。
東播磨地域では加古川中央市民病院が高度急性期医療を担う地域の中核病院として機能しています。
高砂消防への市内での救急依頼で医療機関別搬送者数を見てみますと令和7年度4月から令和8年1月の10ヶ月累計で合計件数が3,621件。内訳は高砂市民病院は332件で全体の9.2%、不応率27%。あとは高い順で加古川中央市民病院が1,048件で28.9%、高砂西部病院が924件で25.5%、順心病院が611件で16.9%、加古川医療センターが164件で4.5%、はりま姫路医療センターが131件で3.6%、その他が411件で11.4%となっています。高砂市民病院の救急患者受け入れ件数が全体の9.2%というデータから鑑みても医療現場では広域連携がすでに構築されている、そのおかげで高砂市民の命が守られているというのが現実です。
このような状況の中で各自治体がどのような役割を担うのか、という、さらなる密度のある広域での医療体制を考えることが重要ではないでしょうか?
私は東播磨医療圏域における高砂市民病院の役割の再定義が必要だと感じています。
詳細は差し控えますが、次に重要なのが医療と交通の関係です。
高齢化が進む社会では、「医療がどうあるか」だけではなく「病院にいけるかどうか」が重要になります。現在本市では医療と地域公共交通との連携はまだまだ十分とは言えません。医療とそこへのアクセスは一体で考えるべきです。
また前述した医療機関別搬送者数から想定しますと高砂市民が加古川市で治療を受けられているのが60%、高砂が30%(そのうち西部病院が7割)姫路市ほかが10%でしょう。患者さんの7割が高齢者だとすると「ストレスなく市境を超えて
病院へ行ける」が「市民の命と健康を守る」を実現する最重要な行為項目です。
また加古川市民病院機構の2024年度の決算概要を見てみますと、総収益が約302億円、当期純利益が約9億円、営業収益に占める人件費の割合が41%、因みに高砂市民は85%です。医師は総勢275人、看護師が773人、総職員数が1395人。1日あたりの入院患者数が540人、外来患者数は1480人。患者さんの住所で分けると加古川市民が約6割、加古川以外が4割だそうです。人口比率で推測すると全体の約2割が高砂市民だとすると、加古川市民病院に入院されてる高砂市民は約108名で高砂市民病院とほぼ同数になります。
そこでお伺いします。
本市として、東播磨地域の医療体制の中で高砂市民病院がどのような役割を担っていくのか、また、広域連携をどのように進めていくのか、また進める予定はないのか?市の考えをお聞かせください。
次に地域公共交通です。
本市では現在コミュニティバスであるじょうとんバスが運行されていますが、年間約7,000万円の財政負担があり、1便あたり平均乗客数は約5人という状況です。
これは全国の自治体が同様に直面している問題です。
現在は、特に地方部においては、買い物、医療、教育、福祉など日常生活に不可欠なサービスの再編が数多くの自治体で進んでいます。日常生活における移動の不便にとどまらず、外出・通院機会の減少による健康面への悪影響や、現役世代による子どもや高齢者の送迎負担の増大などにより、地域活力の低下、特に地方中小自治体は生活の利便性の低下による更なる人口減少という負の連鎖を招く可能性大であります。
人口減少の中で、従来型のバス交通を維持することは非常に難しくなっています。そのため近年では乗合型AIオンデマンド交通、バスに限定せずタクシーを使う、など新しい交通システムが全国で導入されています。さらに重要なのは、交通は自治体の境界で完結するものではないということです。
市民の通院先や買い物先は加古川市など近隣自治体に広がっています。つまり、交通政策も広域で設計する必要があると考えます。
将来に向けた新しいキャリアを利用した「誰でもいつでも何処へでも」を理念とした公共交通システムの構築に際して、よくある“できない理由“は①財源がない②需要が読めない③既存交通との調整が難しい④事業者がいない⑤失敗リスクが高い
が主な理由です。しかしながら、全国の先進事例を見てみますと、路線バス・タクシー・コミュニティバス・デマンド型バスをハイブリッドして、最適解を見つけて
実証実験から実証運行を実現している自治体も多くあります。
先ほど言いました「誰でもいつでも何処へでも」を医療機関、福祉施設、学校含む教育施設や塾への送迎・買い物施設にまで広げることにより、まちづくり政策の最大のインフラとしてその取り組みを格上げし、実現に向け努力するべきではと、思料します。そして市民の皆さんの生活圏はすでに加古川・姫路に広がっています。
先日3月10日に、交通空白などの解消による持続可能な地域公共交通の実現に向けて関連する改正案が閣議決定されています。
その背景必要性として記述されていますのが
① 地域公共交通は、地方の「暮らし」と「安全」を守る基盤であるが、急激な少子高齢化により、運転者等の担い手が不足し、減便・廃止が相次ぐなど供給が減少する一方で、免許返納、学校や病院の統廃合により社会的需要が増大
② 日常生活における移動の不便にとどまらず、外出・通院機会の減少による健康面への悪影響や、現役世代による子供や高齢者の送迎負担の増大等により、地域活力の低下、さらなる人口減少という負の連鎖を招く可能性
③ 地域公共交通の司令塔である地方公共団体も、特に中小規模の市町村では、人材・ノウハウが不足。
④ このため、輸送資源のフル活用、共同化、協業化などにより、集中対策期間(令和7年から9年度)での「交通空白」の解消・将来的な発生抑制、ひいては持続可能な地域公共交通の実現を図る必要がある。
そこでお伺いします。本市の地域公共交通について近隣自治体と連携した公共交通政策を検討する考えはあるのか。お聞かせください。
次に公共施設についてです。
全国の自治体では、人口減少と施設老朽化が同時に進行しています。
総務省によれば多くの自治体では公共施設の更新費用が現在の約1.5倍から2倍になると試算されています。しかしながら当市の財政計画によりますと当初1,300億円から900億円に減額されています。こうしないと長期財政計画が組めなかったと推察しますが、果たしてこの減額の実現性はいかがなものなのでしょうか?
高砂市においても・高度成長期に整備された施設の老朽化・人口減少・財政制約という三つの課題が同時進行しています。このまま従来の方法で施設を維持していくことは将来世代に大きな財政負担を強いる可能性大であります。
これまで多くの自治体は・病院・大型文化施設・大型体育施設などを単独で保有するフルセット型行政を行なってきました。しかし人口8万人規模の都市において全ての大型施設、大商圏型の施設を単独で維持することは財政的にも人的にも難しい時代に入っています。全国では・施設の複合化・機能の統合・広域利用が進められています。
公共施設マネジメントの効率的運用の基本は利用状況の把握からと考えています。
当市でも・利用率30%未満の施設・維持費が利用者一人当たり数千円という施設も少なくありません。限られた財源を有効活用するためには・利用率・維持コスト・将来更新費を総合的に判断する必要があります。
全国の自治体では、施設の複合化が進んでいます。例えば、・図書館と地域交流センター、・小中学校と地域交流拠点、・行政窓口と福祉施設 などです。
これにより・建設費削減・維持費削減・利用率向上が実現しています。
そして、公共施設の老朽化が大きな課題となっています。
施設更新には莫大な費用が必要です。しかし人口減少の中で、全ての施設を自治体単位で維持することは難しくなっています。そのため最近では・施設の共同利用・広域での施設配置といった取り組みが進められています。
今後は大商圏型の施設において広域的な施設利用を進めることが重要です。
当市の問題点として①人口に対して施設量が多い、一人あたりの公共施設面積が他市町と比べて大きい②施設統廃合の実行計画が進んでいない③施設維持費が将来財政を大きく圧迫している、があげられます。
しかしながら当市は未だに単機能施設が多く、建て替え時の統合戦略が弱いのではと感じています。
今からは、施設の質・量を最適化する時代です。
そのためには ・施設の複合化 ・利用実態の分析 ・広域連携 ・移動支援も含めた公共交通との連携が必要です。
そこでお伺いします。本市の公共施設マネジメントにおいて近隣自治体との連携をどのように考えているのか。お聞かせください。
最後にお伺いします。本日質問させていただいた・医療・公共交通・公共施設、本来はこれに消防・防災を加えた5事業ですが、これらすべて急激な人口減少時代の行政運営に直結する問題です。そして共通する解決策の一つが広域連携です。特に都倉市長におかれては高砂市民に近隣市町と同等の生活レベルを担保する大きな責任があります。今後の高砂市行政経営においてコストパフォーマンスの低い単独主義を続けるのか、それとも高くなる可能性がある広域連携を戦略的に進めるのか。
これは高砂市民の将来にわたる安心安全な生活を左右する大きな選択、
になると思います。そして国内で大変評価の高い、まさに広域連携の成功モデルであるエコクリーンピアはりまを実証運転しています。この成功事例を当該設備に留まらせずさまざま設備や事業で展開してゆく、この取り組みは2市2町で高砂市の必要度が圧倒的に高いですので、本市から提案しないと絶対前には進みません。取り組まない理由は何もないと思料します。そこで市長にお伺いします。
高砂市として今後広域連携をどのように進めていくのか、また進めないのか。
市長の決意をお聞かせください。




