令和4年9月高砂市定例議会一般質問

高砂市における自治体DXの推進について

Q

日本維新の会、横田英樹でございます。
 通告順に従いまして、一般質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。
 内容といたしましては、高砂市における自治体DXの推進について。一つ目がDXを推進するためのポイント、二つ目が取り組むべき重点事項としてご質問をさせていただきます。
 モニターでありますように、デジタル化というのは日本が比較的遅れておりまして、それが生産性が低い原因になっておるというところはご承知のことかと思います。ちなみに2019年のデータになりますが、日本の1時間当たりの労働生産性の国際比較です。日本の1時間当たりの労働生産性は約48ドルで、OECD37箇国中21位。日本の1人当たりの労働生産性は8万1,183ドルで、OECD加盟37箇国中26位。製造業については16位であります。アメリカ、まず1時間当たりの労働生産性については、アメリカの6割の水準に相当し、順位は21位であります。名目ベースでは前年から上がりましたが、データが取得可能な1970年以来最下位。先進国中、7箇国中ずっと最下位の状況であります。
 1人当たりの労働生産性につきましては、順位でいけば韓国が24位、ニュージーランドが25位となって、これもOECD37箇国中26位で、水準は1970年以降最も低くなっておるというところで、デジタル対応の低さが労働生産性の低さにつながっておるというのは、OECDの中でもある人口一定レベル、5,000万人以上の国においてはデジタルの競争力と労働生産性というのは順位がほぼ一致しておるという中で、やはりもうデジタル化の遅れがこういった結果につながっておるというようなことが言われております。
 その中で、この高砂市ですが、デジタル先進自治体としての可能性はまだ十二分に秘めておるというふうに感じております。それに対して、実現に向けてのエールを送るため、送る意味を込めまして質問させていただきたいと思います。
 まず、自治体のDXとは、自治体が最新のデジタルテクノロジーを活用して、住民に提供するサービスや業務フローなどを変革させることであります。これまでアナログで行っていた業務をデジタル化し、共有することでデータや情報を有効活用しやすくなり、人々の生活をよりよくしたり、社会的な問題解決を目指すことができるものという位置づけがあります。
 そもそもDXとは企業などが最新のテクノロジーを活用して、戦略やプロダクト、業務フローなどを変革させることを言います。この主体が企業から自治体になったと考えると分かりやすいと思います。ただ、企業がDXを行う目的が競合企業に対する競争力を高めるため、つまり自社の利益のためであるのに対し、自治体DXでは変革を行うのは市民のため、市民のより安心安全な生活を守るためという点が大きく異なります。
 では、なぜ自治体におけるDXが必要なのでしょうか。自治体におけるDXを推進する理由の根本には、少子高齢化による人口減少が挙げられます。人口減少により地方では過疎化が進んでいます。これが一定の域を超えるとごみの収集や上下水道のメンテナンスといった社会インフラや公共サービスを提供するためのコストがかかり過ぎてしまい、最終的には提供できないレベルに至ります。
 実際に国土交通省は、居住区域と生活サービス施設を集中させるコンパクトプラスネットワークを推進しています。平たく言えば、意図的に程よく過密なまちづくりを行うことで、都市機能を存続させるということであります。
 今、最初に、冒頭に申し上げましたデジタル先進自治体になれる可能性があるというのは、高砂市でもう既にコンパクトシティの要素をそろえておるというところからも可能性が非常に高いというふうには感じております。引き続き全ての住民の皆さんに対し強制的に移動させることはできないなどの問題がありますので、今申し上げました高砂市はいいように立っておるということを感じております。
 また、総務省によれば、2020年4月1日の地方公務員数を1,994年と比較すると約52万人減少しておると言われています。この要因は必ずしも人口減少だけではありませんが、将来的には人口減少による人手不足が懸念をされます。
 また、2018年に経済産業省が発表したDXレポートもDX化を加速させる大きな理由の一つであります。発表当時、約8割の企業がDX推進ができておらず、古いシステム、これをレガシーシステムといいますが、これにコストをかけていることが明らかになりました。このレガシーシステムをそのまま運用した際に、システムを保守運用するコストはどんどん膨れ上がります。そして、2025年の壁というふうに表現されておりますが、その2025年には個々の企業、団体の経営だけではなく、日本経済に大きな影響を与える可能性があるということも言われています。具体的には日本全体で最大12兆円もの損失を生む可能性は指摘をされています。これは自治体においても例外ではありません。
 次に、デジタル競争力ランキングというのがありまして、これは2020年の資料でありますが、世界デジタル競争力ランキングは対象63箇国中、日本は27位であります。1位はアメリカ、2位がシンガポール、3位がデンマーク。アジア諸国では5位が香港、8位が韓国、11位が台湾、16位中国、日本は27位で、近隣諸国、アジアの先進地域である諸国よりも非常に後れを取っております。また、2019年度よりも四つランキングを落としています。こういう実態が、日本が生産性が低くなっておるという実態を如実に表しておるのではないかなと感じております。
 そこで、最新のデジタルテクノロジーを活用することで、こうした問題を解決し、住民市民一人一人にきちんと行政サービスを届けられるように変革しようというのが自治体DXであります。
 総務省が2020年12月に発表された自治体DX推進計画概要によれば、自治体DX推進計画の意義目的の三つのうちの一つ、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針から目指すべきデジタル化社会のビジョンとして、デジタルの活用により一人一人のニーズにあったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化が示されています。
 また、デジタルガバメント計画に掲げられた各政策のうち、自治体が重点的に取り組むべき事項や、国による支援策等を取りまとめ、計画を策定しております。その後、今年度の骨太の方針において、自治体DX計画改定により、国の取組と歩調を合わせた地方自治体におけるデジタル化の取組を推進するとされたことを受け、今年度の9月、つい最近ですが、デジタル社会の実現に向けた重点計画、デジタル田園都市国家構想基本計画方針、これは今年の6月に閣議決定されておりますが、において国が掲げる理念や支援策などを盛り込む改定が必要とされております。そこでお伺いをいたします。
 まず、今からが質問の内容になりますが、自治体DXを推進するためのポイントとして、一つ、社会課題を出発点とした提供価値の創出、デジタル化を推進するにおいて今こういう問題があり、それに対しどういう取組をしたら問題解決できる方法があるのかということでありますが、これがポイントとして抑えられてるかどうか。
 また、二つ目、スモールスタートによるクイックウィンのルール化、これスモールスタートといいます、とりあえずできるところからしたらよいではないかということと、少しの成果でもそれを積み上げていこうよというような、ちょっと英語の表現ですが、こういうことであります。
 三つ目が、利活用データの蓄積と分析。以上の三つが挙げられますが、この三つのポイントを推進するためのポイントとして、どう捉まえ、どう準備をされているでしょうか。この三つについてお伺いをいたします。
 次に、この高砂市におけるDXの推進体制の構築として、四つ挙げております。
 一つ目が、組織体制の整備。これは全庁的、または組織横断的な推進体制がどうなるのか。
 二つ目、デジタル人材の確保・育成についてどうお考えなのか、また、どう準備をされているのか。
 三つ目、計画的な取組、どう計画をされ進められておるのか。
 四つ目、兵庫県による支援体制の把握。これは国においてはもう総務省から明確に示されておりますので、これに準拠して兵庫県もぼちぼち作成されると思いますので、県の支援体制も含めて、しっかりとそれに乗って、幾らかでも多くの補助金を獲得するという中での運用のレベルを上げていくということが大事だと思い、ご質問をさせていただきます。
 また、重点取組事項として自治体の業務システムの改善とそれに合わせて取り組むべき事項があります。それが六つあります。
 一つ目が、自治体情報システムの標準化・共通化。今、2025年の壁と申しましたが、昨日、新しい基準が国からまず示されておると思うんですけども、2025年までに基幹系業務システムを標準準拠システムへ移行する。
 二つ目、マイナンバーカードの普及促進。2022年度末までにほとんどの住民が保有することを目指す。非常にこれは厳しい状況ではありますが、少しでも前へ行くという意味で捉まえていただければと思います。
 三つ目が、行政手続のオンライン化。身近な31項目の手続をマイナポータルでオンライン手続をする。
 四つ目、AI・RPAの利用促進、五つ目、テレワークの推進。
 六つ目が、セキュリティ対策の徹底であります。
 次に、これと併せて取り組むべき事項として、その2として、これは後でまた申し上げますが、一つ目がデジタル田園都市国家構想の実現に向けたデジタル実装の取組、地域社会のデジタル化であります。これは前年度と今年度の、前年度の補正、今年度の予算を含めて5.7兆円の予算が組まれております。これにいかに乗っていくかということで、これは前々回の一般質問でもさせていただきましたが、それについてもう一度確認をさせてください。
 それから、二つ目が、デジタルデバイド対策。これがどこでも非常に重要な対策になってまして、デジタル難民、俗に言われる方をどう拾い上げて、救い上げていくかというふうなところで、しっかりとこの方たちがどうデジタル化に対して進んで、自分の意思でやってくれるのかというところが非常に大きな推進エンジンになりますので、その対策も非常に大事で、あえてお伺いいたします。
 三つ目が、デジタル原則に基づく条例等の点検の見直しであります。
 以上、都合七つ、16項目についての箇条書きで申し上げましたが、それに対しての答え、お考えなりをお伺いいたします。
 壇上での質問は以上で終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
A

(答弁:都倉達殊市長) 
17番、横田英樹議員の一般質問にお答え申し上げます。
 大きな項目で二つありました。1番目の自治体DXを推進するためのポイントについてのうち、推進体制の進捗については私のほうから、それ以外については担当部長から答弁いたしますので、よろしくお願いします。
 まず、私のほうからでございます。
 高砂市におけるDX推進体制の構築として、議員からの四つの点でご意見のありました点について、現在の進捗をお答えいたします。
 一つ目、組織体制の整備についてです。
 DXの推進に当たっては、全庁的・組織横断的な推進体制が必要と認識しております。政策部において、組織的にデジタル技術やデータを活用して行政事務を変革していく、DXの司令塔として全体方針、企画立案、部門間の総合調整を行っています。
 政策部が、業務プロセスや現場の課題を把握、熟知している各部署と緊密に連携することで、業務やサービスを変えようとする、変えることができる組織を目指しているところです。
 部長会議、室長会議でDX推進の考え方、推進体制を確認し、課長級及び係長級職員には所属ごとに説明や協議を行い、DX実現に向け全庁的に取り組んでいます。
 情報システム関連の事業を検討する際には、選任した部長級、室長級、課長級による庁内委員会をおのおの開催し、部門横断的に協議し、取り組んでいます。
 二つ目、デジタル人材の確保・育成についてです。
 業務の方法を見直し、サービスを変えようとする、変えることができる職員の育成は重要であります。
 管理職員に対しては、今年度からデジタル化の推進を、人事評価の重点取組事項の一つとして設定しました。また、各部署においてはデジタル活用推進員を配置し、設置するとともに、階層別の職員研修を実施し、各職場において職場風土や意識改革に取り組んでいるところでございます。
 三つ目、計画的な取組についてです。
 高砂市DX推進ビジョンにおいて、DX推進の考え方を明確にし、職員が同じ方向に向かうことができるよう、取組期間や重点取組事項を定めました。
 また、国のDX推進手順書等も参考に、本市における主要な取組のロードマップを策定しております。このロードマップでは11の取組事項を挙げております。その中でも自治体情報システムの標準化・共通化と行政手続のオンライン化を中心に進めたいと考えております。
 四つ目、兵庫県による支援の把握についてです。
 現在、兵庫県電子自治体推進協議会において、自治体情報システム標準化ワーキンググループが設置されています。本市からもこのワーキンググループに参加しており、兵庫県及び各市町とともに検討を重ねながら取り組んでいます。
 本市の自治体DXの基本的な考え方として、市の課題解決を図るため、職員が同じ方向を向き、取り組んでまいりたいと考えております。
 私のほうからは以上でございます。

私のほうからは、まず社会課題を出発点とした提供価値の創出についてお答えいたします。
 令和4年6月に策定した高砂市DX推進ビジョンでは、これまでのICT施策を強化するとともに、市民一人一人の幸福度向上と社会課題解決を図るため、デジタルでかえる かなえる 誰一人取り残さない笑顔と思いやり育むまち 高砂の実現を図ることとしております。
 新しい生活様式など、時代の変化を取り入れ、業務内容や業務プロセスの再構築の検討をしながら、3つのかえるを重点取組として推進してまいります。
 3つのかえるの中には、やさしさで幸せにかえるとして、新しい価値をかなえるデジタル化を設定しています。
 単なるデジタル化ではなく、ICTツールの活用による新しい価値の創出を支援するDXを推進してまいりたいと考えております。
 次に、スモールスタートによるクイックウィンについてです。
 DXの推進に当たっては、スモールスタートによるクイックウィン、つまりできるところから始めて、早期に成果を出すことが重要であることは認識しております。
 早期に成果を出すためには、市民目線・利用者の立場に立った課題の発見等を的確に行い、無駄な手戻りを防ぐ必要があります。
 そのためには、職員一人一人がサービスデザイン思考を持ち、DXに取り組むことが必要と考え、担当部署とICT推進課で調整を行いながら、業務の洗い出しに取り組んでいるところでございます。
 次に、利活用データの蓄積と分析についてです。
 国が定めたデジタル・ガバメント実行計画においても、行政保有のデータのオープン化、行政データ連携等の推進が示されています。また、社会のデジタル化に伴い、データの重要性はますます高くなっていると認識しています。
 本市における利活用データの蓄積と分析については、まず平成29年度から情報資産のオープンデータ化による公開、令和3年度から地理情報システムを導入し、庁内の紙資産等のアナログ情報のデータ化及び庁内横断的な共有を推進しております。
 中でも、地理情報システムについて、データを蓄積し、多角的に情報を集め、見える化することで、より効果的に状況を把握し、課題の分析、対策の検討が可能になるものと考えております。
 台風による市内災害発生状況や、通学路の総合的な情報の見える化等を進めており、庁内各部署が連携して対応しているところです。
 今後、さらにデータを蓄積、活用することで、社会課題解決に向けた政策立案ができるよう取り組みたいと考えております。
 次に、自治体情報システムの標準化・共通化については、住民記録、税、福祉等、主要な20業務を処理するシステムについて、デジタル庁が策定する基本方針の下、関係府省において標準仕様書を作成した上で、各ベンダが標準仕様書に準拠して開発した標準準拠システムをクラウド基盤等に構築し、各自治体が運用することを目指すものでございます。なお、標準準拠システムへの移行の目標時期は令和7年度とされております。
 現在、国において、令和4年3月に公開を予定しておりました地方公共団体システム標準化・共通化に係る基本方針がまだ示されていないなど、スケジュールにやや遅れが生じております。今後、基本方針のほかに、標準準拠仕様書の公開または改定、ガバメントクラウドの整備方針や共通要件が示される予定となっております。
 本市におきましては、基幹系業務システムを運用している部署ごとに情報共有を行い、取り組む方向性を確認したところです。
 また、年内には、自治体標準システムの標準化・共通化に係る推進体制を立ち上げ、引き続き、標準化・共通化に関する国の動向に注視し、取り組んでまいります。
 次に、行政手続のオンライン化についてです。
 令和3年7月に総務省が公開した自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書において、子育て、介護関係など31手続については、デジタル・ガバメント実行計画や、自治体DX推進計画の趣旨を踏まえ、原則、全自治体でマイナポータルからマイナンバーカードを用いてオンライン接続を検討することとされています。
 現在、本市においては31手続から都道府県事務を除く27手続のうち、令和4年度中には22手続をマイナポータルを活用したオンライン手続に対応させる予定としております。
 残り5手続については、引き続き関係部署と連携を図り、取り組んでまいります。
 次に、AI・RPAの利用推進についてです。
 本市におきましては、令和4年度から、処理の自動化等を行うRPA、紙を読み取り、文字等をテキストデータ化するAI-OCR、音声をテキストデータ化するAI会議録システムの運用を開始しております。
 今後、関係部署とともに業務プロセスの見直しを行いながら、活用できる業務範囲を拡大・拡充し、行政サービスの向上に努めてまいります。
 次に、セキュリティ対策の徹底です。
 行政のデジタル化の推進に当たり、市民の皆様の情報を預かるセキュリティ対策は、大変重要であると認識しています。
 所掌する情報資産に関する情報セキュリティ対策については、総合的、体系的かつ具体的に取りまとめた高砂市情報セキュリティポリシーを策定しています。
 先般、県内自治体におけるUSBデバイスの紛失事件を受け、本市においても情報セキュリティを再確認したところです。
 技術的な対策は言うまでもなく、職員が常に、情報を取り扱う責任を認識し、業務に取り組むことが重要です。
 高砂市情報セキュリティポリシーに定める高砂市情報セキュリティ委員会を定期的に開催し、研修のさらなる充実など、対策を講じてまいります。
 次に、デジタル田園都市国家構想についてですが、デジタル技術に活用によって、地域の個性を生かしながら、地方が抱える人口減少や少子高齢化、産業空洞化などの社会課題の解決、魅力向上のブレークスルーを実現し、地方活性化を加速することをその意義としております。
 議員お示しの、デジタル田園都市国家構想実現に向けたデジタル実装の取組、地域社会のデジタル化については、社会課題を出発点とした提供価値の創出として立案したたかさご未来資産をためようプロジェクトが、内閣府の未来技術社会実装事業に選定されました。
 まずは、脱炭素化をデジタル技術を活用して市民と一緒に進めるという考えの下、デジタル地域ポイントを基盤として、地域住民の行動変容を促し、将来においても市民の暮らし、まちのにぎわい、行政サービス水準が維持できること、また、顔の見えるコミュニティの助け合いの風土を、デジタル・データを活用し、維持、促進することを目指して取り組んでまいります。
 次に、デジタルデバイド対策です。
 本市では、デジタル活用支援の一環として、国が行う携帯電話会社の講習会をお知らせしたり、市内各公民館においてスマートフォン講習会を開催したり、公共施設での公衆無線LANの設置やマイナンバーカードを使ったマイナポイント支援を行っております。
 特に、ご自分のスマートフォンを使ってホームページやたかさごナビから情報を得ていただけるように、この夏にスマートフォン講習会を開催いたしました。募集定員の約8割に当たる134名の方にご参加いただき、参加者のアンケートにおいて回答のあった97%の方に満足いただいております。
 今後におきましては、いかに助け合いの活動として広げられるかが課題であると認識しておりますので、市としてどのような取組ができるか検討してまいりたいと考えております。
 次に、デジタル原則に基づく条例等の規制の点検、見直しについてですが、いわゆるデジタル手続法では、情報システムの整備等の必要な施策を講じることとされています。
 現在、DX推進の主要な取組である行政手続のオンライン化や、自治体情報システムの標準化・共通化等を進めており、行政事務の運用等が変わろうとしています。
 本市における市民のニーズ等を踏まえ、より効果的で、効率的な運用を行うため、条例等の点検・見直しを今後の検討課題とし、情報収集に努めてまいります。

(答弁:川平貴儀市民部長)
マイナンバーカードの普及促進についてです。
 国では2022年度末にほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指す方針としております。当市におけるマイナンバーカード交付率は、8月末現在で47.4%、申請率につきましては57.1%となっており、わずかではありますが全国平均より上回っている状況です。
 マイナンバーカードの普及促進につきましては、電話での問合せや窓口において本人確認としての有効性や、コンビニ交付サービスでの利用など、マイナンバーカードの利便性を詳しく説明しております。また、窓口での申請を希望される方には、証明写真の無料撮影サービスを行うなど、市民の方が申請しやすい環境を整えるよう努めているところでございます。
 臨時的な申請窓口としては、毎年9月に行っている各公民館での出張申請を引き続き実施したことに加え、今年度は県が主体となって行うサポート事業として、市議会議員選挙の期日前投票に合わせ、同会場である文化保健センターでの申請サポートを実施いたしました。そのほか、高砂警察署へ協力を依頼し、運転免許証を自主返納された方にマイナンバーカード取得促進の案内チラシを配布いただいております。
 現在、市役所開庁時間での来庁が難しい方へは、日曜開庁でのマイナンバーカード交付を案内しておりますが、今後は平日においても時間延長を行う日を設けるなど、スムーズな交付ができるよう努めてまいりたいと考えております。

(答弁:荻野章広総務部長)
テレワークの推進についてご答弁いたします。
 テレワークについては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、登庁する職員数を制限することを目的に、試行的に導入し実施しているところです。
 テレワークは働く職員にとって時間と場所にとらわれない多様で柔軟な働き方を可能とする一方、テレワークに適した業務の洗い出しをさらに進める必要があることなど、整理が必要な部分も見えているところでございます。
 今後は、電子決済システムや文書管理システム等の環境整備の検討やテレワークに適した業務の整理を進めていきたいと考えております。テレワークは仕事と育児・介護との両立が必要な職員からのニーズがあることも認識しております。それら職員の選択肢の一つとなるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

Q
ありがとうございます。
 しっかりと取組を頂いてるということがほぼ確認をできました。冒頭に申し上げました高砂市はデジタル先進自治体としてなれる、それがあるというふうに申し上げましたが、本当にそうだと思いますので、しっかりと取り組んでいただきながら、先進自治体として全国に名をとどろかせていただくようなご努力いただければと思います。
 続きまして、申し上げましたが、デジタル田園都市国家構想についても少しお尋ねしたいと思います。
 デジタル田園都市国家構想とは、デジタルリストを通じて地方が抱える課題を解決し、誰一人取り残されず全ての人がデジタルのメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現する構想であります。
 その中の一つとして、暮らしの変革として、子どもたちの未来を支える最高の教育、人をひきつける魅力的な仕事、生涯を通じたゆとりと安心のある暮らしを実現。
 二つ目の、知の変革として、やる気のある地域大学、高専を中核に地域の強みを生かした知見の集積、地域における官民学人材の好循環を実現する。
 三つ目の、産業変革として次世代オフィス環境の整備、スマート農業、医療、防災等を実装、地域の知と大都市をつなぐ創業環境の実現を目指しますとしています。
 少し見にくいんですが、こういう形の、理想形ではありますが未来図もありますので、それに向けて可能性はありますので、諦めず、何かしらの実現に向けて動いていただきたいと思います。
 また、この当該構想は冒頭に申し上げました総額5.7兆円が計上されております。政府は新しい資本主義の実現に向けた成長戦略、そしてデジタル社会の実現に向けた重要な柱に位置づけられています。2022年度の国家予算比較では、新型コロナ対策予備費が5兆円、防衛費が5.3兆円、公共事業費が6兆円とすると、いかにそれが大きな金額であるかということがご理解いただけるのではないかというふうに感じております。
 また、財政面ではその実現に向けての、採用されればですが、地方負担は交付対象事業の2分の1であり、そのうち地方創生臨時交付金が充当可能で、その算定率は最大0.8であり、実質10%負担に軽減をされます。政府は今後、地方創生関係交付金などによる分野横断的な支援を通じ、デジタル活用をして地域の課題解決に取り組む自治体の数を2024年度までに1,000団体に展開すると計画しております。
 暮らしという観点では、多くの場合、教育、仕事、治療、介護などのために地域から離れざるを得ない環境となっています。そのため、ゆりかごから墓場までの地方の田園都市での最先端の仕事、文化と触れ合うことで、デジタルの力によって教育から生活、医療に至るまで、時空を超えて最先端サービスの提供を目指すことが掲げられています。これが高砂で実現できれば本当にうれしく感じております。
 また、持論ではありますが、日本人はどちらかと言えばアナログ人種というふうに言われてますが、アナログの時間を多く増やすことにこそ、このデジタル化が重要で実現されるべきことだと感じております。日本が得意とするアナログの時間を増やすことにより、相談業務を増やして心をお届けする業務を増やす中で、その一つの手段としてデジタル化があればいいなというふうに感じております。
 そこで、最後に市長にご質問いたしますが、今申し上げましたDXの実現に向けた機運醸成は市長のコミットメントが最も重要ではと認識をしております。これについては市長はどうお考えでございましょうか。
A

(答弁:都倉達殊市長)
DXにつきましては、単に業務をデジタル化することだけではなく、データとデジタル技術と業務の仕組みやサービス、事業モデルを新しく変えて、地域課題を解決し、これまでにない利便性を提供することであると考えております。
 DXのポイントとして、新たな価値創造、課題解決、経営の変革、事業モデルの変革、横断的な実践の五つが挙げられております。
 DX実現には、ITと経営の一体化が必要だと認識しておりますので、目的や目標の達成に向けて、市長として積極的に関わっていきたいと考えております。

以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。